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No.44 EBSDを用いたLSI・Al配線の方位解析

“KTEC News”は、旧・川鉄テクノリサーチ(株)が年4回発行していた小冊子です。バックナンバーとして掲載しておりますが、現在お取り扱いしていない製品・サービスの場合もございますので、ご了承ください。

EBSD(Electron Backscatter Diffraction)法は本誌.41号で熱間圧延鋼板の結晶方位分布について報告されている技術ですが,サブミクロンの観察領域における方位解析が可能です。バルク試料についても菊地パターンが手軽に検出できる技術を基本にしており,従来の方位解析で用いられていたX線回折法に比べて波長や発生領域が小さいために微小部方位解析が可能となりました。

図は,市販LSIチップの1μmサイズのAl配線について,EBSDによる方位解析を試みた結果を表しています。配線方向がSEM中の試料傾斜方向と一致しており,図では上下方向に伸びています。試料傾斜の効果と配線表面の凹凸などの入射電子線との幾何学的な条件によって,散乱強度の部分的な強弱が見られます。
左図はやや斜めに見られるAl配線近傍の散乱強度のマッピングを表します。白い部分は強度が強く,配線の周りと配線内の両方で強度の弱い部分があり,配線が浮き上がって見えます。

右側の2つの図に方位解析結果を示しています。左図での散乱強度の強い部分で,結晶方位が添付のステレオ三角形のカラー表示と対応して確認されます。上部では線幅と同じ粒径の結晶が(111)から10度前後傾いているようです。場所により3主方位に近い結晶粒や配線より小さい結晶粒の方位が示されています。背景の黒色部は散乱強度と像の鮮明度が低く,解析できなかった部分に相当します。

このようなサブミクロン領域の方位解析が10分程度の時間で測定可能です。適切な局所表面予備処理技術の開発と相まって,配線の諸特性や材料の微小部特性に関連した局所構造解析技術として,本法の発展が期待されます。

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