鋼構造物の疲労損傷モニタリング

鋼構造物の寿命を支配する2大要因として腐食と疲労が挙げられます。このうち、腐食は目視による検査が可能ですが、疲労損傷は大きな亀裂が発生するまで目に見えないため評価が難しいとされています。溶接鋼構造物の疲労損傷は変動応力範囲の3乗とその繰り返し数に比例するので、発生応力を測定し、その応力と回数から寿命を診断する方法があります。しかし、測定期間が十分確保できない場合が多く、精度上の問題があります。

JR総研グループの(株)BMCと川鉄テクリサーチは、活荷重モニタリングセンサーを開発し、この問題を解決しました。原理としては、疲労予亀裂を入れた薄板(センサー)を構造物に貼り付け、構造物に発生する応力履歴によって進展した薄板での亀裂長さから、一定期間の構造物の損傷を計測するものです。小さい応力でも反応し、疲労損傷量が亀裂長さ増分に比例するように種々の工夫や配慮がされています。

写真1は、センサーを複雑な応力履歴を受けるクレーン構造物に貼付し、約半年のモニタリング期間後の亀裂破面を観察した結果です。モニタリング期間中に、亀裂が0.45mm進展しています。この結果から、最も大きな応力が発生する個所の疲労寿命は約3年と推定されます。別途、従来の方法で約1ヵ月間応力を連続測定して推定した寿命は3~5年でした。二つの方法による推定結果は良く一致しています。

本センサーを構造物に貼付して亀裂長さを測定すれば、疲労損傷の蓄積状況が短期間で確認できる点に特徴があります。今後寿命診断や設計検討の有力な武器としての適用拡大が期待されます。

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JFEテクノリサーチ株式会社 営業本部