耐候性評価
ウェザーメーター試験
ウェザーメーター試験は太陽光(主に紫外線)による劣化を評価する試験です。
- 太陽光(主に紫外線)による劣化を評価する試験です。さらに熱・雨風など屋外の条件を人工的に再現することにより、屋外暴露に比べ数倍から100倍といった促進倍率で試料の耐候性の評価を行なうことができます。
- JFEテクノリサーチでは下記の4種の耐候性試験機を揃えており、お客様のニーズに合わせて選択することができます。
- 評価の対象としては、太陽電池モジュール(太陽電池パネル)、塗装鋼板、プラスチック、建築材料、印刷物、ゴム等、自動車やバイクの内装・外装品、自動車部品、電子部品などです。
サンシャインウェザーメーター
- サンシャインカーボンアーク式ウェザーメーターは国内では標準的な促進耐候性試験で、JIS、ISOを初め多くの規格に規定されています。
- 長い試験実績があります。
- 促進倍率は、屋外暴露に比べ数倍から10数倍程度です。
-
図1* 太陽光とサンシャインカーボンアークの分光分布比較
*出典:岩崎電気殿 技術資料「促進耐候性試験機の現状」 -
サンシャインウェザーメーター
対応規格と用途の例
- 太陽電池モジュール JIS C 8938
- 自動車部品 JIS D 0205
- プラスチック JIS K 7350-4
- 加硫ゴム及び熱可塑性 JIS K 6266
その他: 塗装鋼板、フィルム、インク、電気・電子部品等
試験事例
-
ウェザーメーター試験後のABS 樹脂の外観 サンシャインウェザーメーター試験後のABS 樹脂断面イメージングIR 分析結果
その他、用途に合わせたサンシャインウェザーメーター試験機
紫外線蛍光灯ウェザーメーター
- 紫外線蛍光灯は一般蛍光灯と同じ原理で点灯させて、フィルターを通すことにより紫外線の照射を行います。
- 目的とする波長によって、以下の3種類があります。
- タイプ1-UVB 313nm
- タイプ2-UVA 340nm
- タイプ3-UVA 351nm
- 促進倍率は、屋外暴露に比べ数倍から10数倍程度です。
-
図2* 太陽光と紫外線蛍光ランプの分光分布比較
*( 出典:スガ試験機(株)殿HP ) -
紫外線蛍光灯ウェザーメーター
対応規格と用途例
- 塗料一般試験方法 JIS K 5600-7-8
- プラスチック JIS K 7350-3
- 加硫ゴム及び熱可塑性 JIS K 6266
スーパーキセノンウェザーメーター
- キセノンランプとフィルターにより、太陽光の分光分布に最も近い条件で試験ができます。
- 低照度から高照度まで、紫外線量を変化させることができます。
促進倍率は、屋外暴露に比べ10~30倍 程度です。
-
図3* 太陽光とキセノンランプの分光分布比較
*出典:岩崎電気殿 技術資料「促進耐候性試験機の現状」 -
スーパーキセノンウェザーメーター
対応規格と用途の例
- 自動車部品 JIS D 0205
- 塗料一般試験方法 JIS K 5600-7-7
- プラスチック JIS K 7350-4
- 加硫ゴム及び熱可塑性 JIS K 6266
その他: 塗装鋼板、フィルム、コーティング皮膜、電気・電子部品等
大型・立体サンプルに対応したキセノンアークランプ耐候性試験
試料回転式キセノンアークランプ試験機では対応困難な、大型製品の耐候性試験を実施できます。
キセノンアークランプは、太陽光の紫外線、可視光、赤外を再現するにあたり最も適した耐候性試験光源として利用されていますが、光源周囲を試料が周回する回転式キセノン試験機が多く、装置構造上、大型製品の試験は実施が困難でした。
近年、自動車内装品(CASE関連:大型ディスプレイ等)やインフラ構造物を模擬した大型試験体など最終製品に近い形態での品質確認が求められ、アッセンブリ品での促進耐候性試験のニーズも高まっています。
本装置は、大型フラットトレイを有し供試品の形や大きさを気にすることなく、簡便に最終製品状態で促進耐候性試験を実施できます。
テストエリア仕様
- 試料台寸法:幅720 mm×奥行450 mm (耐荷重23 kg) (*ブラックパネル温度計(約110×50 mm)の部分は置けません)
適用例
- 自動車関連
大型液晶ディスプレイ、大型液晶メーター、カーナビ - 環境関連(カーボンニュートラル)
太陽電池モジュール - インフラ関連
構造体模擬大型試験片、ドローン
対応規格
グロ―バルな試験規格に対応
国際的な耐候性試験規格(40以上)に対応
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(*許容高さ:最大200mm)
プラスチック | 自動車 | 塗料 | 建材 | 繊維 |
---|---|---|---|---|
ISO 4892-2 JIS K 7350-2 |
ASTM D7869 SAE J2412 |
ASTM G155 JIS K 5600-7-7 |
ISO11431 JIS A 1415 |
ISO 105 JIS L 0843 |
メタルハライドウェザーメーター
- メタルハライドランプは太陽光の約20~30倍の紫外線量があり、 迅速に耐候性を評価したい場合に適しています。
- 紫外線量を変化させることができます。 促進倍率は屋外暴露に比べ、数10~100倍程度です。
-
図4* 太陽光とメタルハライドウェザーメーターの分光分布比較
*出典:岩崎電気殿 技術資料「促進耐候性試験機の現状」 -
メタルハライドウェザーメーター
対応規格と用途の例
- 建具JIS A 1501
- (社)日本塗料工業会条件JTM-G01
その他: 塗装鋼板、フィルム、コーティング皮膜、電気・電子部品等
可視光対応メタルハライドランプ促進試験
最新JIS規格:「紫外光+可視光同時照射」による超促進耐候性試験を実施いたします。
メタルハライドランプ式促進耐候性試験は擬似太陽光による耐候性試験の一つで、非常に大きな紫外線照度を持ち、一般的なサンシャインカーボン灯やキセノンアーク灯と比べて10倍以上の紫外線エネルギー(最大1500W/m2)により迅速に耐候性評価ができます。また、2021年にJIS規格としても標準化され、材料選定時のスクリーニングのみならず長寿命部材・製品の迅速評価への活用が期待されています。当社では、最新JIS規格:「紫外光+可視光同時照射」による試験に対応できるほか、試験後の物性評価(色差、光沢度、引張試験等)もお引き受けしています。
メタルハライドランプ式促進耐候性試験特徴
- 一般的なサンシャインカーボン灯、キセノンランプ灯と比べて10倍以上の促進性があります。
- 従来法の紫外光単独照射のみならず、特殊フィルタ(UV+VISフィルタ)を用いて、より実環境を模した「紫外光+可視光同時照射」が可能です。
- ケーブル孔を有し、光照射中の通電&モニタリング計測もできます。厚い試料(最大高さ65mm)にも対応できます。
- 色差、光沢度、引張試験など物性評価や劣化調査もご相談ください。
対応規格
- 日本試験機工業会JTM-G01
- 建具JIS A 1501(2021年11月制定)
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②ケーブル孔:φ50mm×1ヶ
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- No.42(2015年1月)耐候性評価センター(1) ~有機物の紫外線による劣化試験~
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