全固体電池の試作・特性評価・解析
硫化物系全固体電池用解析設備
サンプリングから観察・分析まで、安全対策を施した設備内での一貫作業が可能です。
【NEW】全固体電池向け静水圧プレス装置(温間等方圧処理装置:WIP装置)
- 超小型全固体電池の開発評価が一巡し、実用化に向けたより大型の全固体電池開発評価ステージへの移行が進んでいます。それに伴うプレス圧増加に対応するため、大面積でプレスできる静水圧プレス装置を導入しました。
- 今回導入した静水圧プレス装置によりプレス可能面積が増加し、併せて加熱プレス、超高圧でのプレスが可能となっ たことから、従来より大型のラミネート型全固体電池を試作できるようになりました。
- 静水圧プレス装置仕様
- プレス可能な電極の最大サイズ: 約30mm× 60mm
- 加熱上限温度: 200℃
- 最大加圧力:1000MPa
【NEW】全固体電池専用のスリットダイ方式電極・SE層塗工装置
- 自動車のEV化に向けて全固体電池の研究開発が進められています。現在主流である硫化物系固体電解質(SE)は水分を含む空気に触れると化学変化により硫化水素を発生する懸念があり、電池評価にも確かな技術と専用の環境が必要です。
- 当社は、これまでの圧粉成型による全固体電池の試作に加え、塗工方式によるラミネート型全固体電池の試作にも取り組んでおり、このたび全固体電池用の電極・SE塗膜(SE層)塗工をお引受する環境を構築しました。
- 専用グローブボックス内にスリットダイ方式の専用塗工機を設置しており塗工式の電極・SE層を作製できます。
- 塗工液(スラリー)の調整を同じグローブボックス内で行うことで連続的に電極・SE層を作製できます。
- これまでより大型の電極・SE層の作製が可能になりました。
当装置は塗り幅100mm、塗り長さは160mmまで塗工可能で、厚みは1μmから1000μmまでの薄塗りや厚塗り設定ができます。
全固体電池解析用設備
全固体電池は、現在主流のリチウムイオン電池で用いられている有機電解液を使用せず、リチウムイオン伝導パスとして無機固体電解質を採用した、エネルギー密度アップと安全性を両立できる電池です。特に硫化物系固体電解質は、酸化物系固体電解質に比べて高いリチウムイオン伝導率を示し低温特性も優れるため、全固体電池のキーマテリアルとして注目されています。
硫化物系固体電解質は、材料特性が優れる一方、取り扱いに注意を要します。わずかな水分との加水分解反応により有害な硫化水素ガスを発生するため、解析時には十分な安全対策を施す必要があります。
当社では、排風設備・スクラバー(硫化水素処理装置)・ガス検知警報ユニットを備えた簡易気密室内で、全固体電池の断面加工から走査電子顕微鏡(SEM)観察までを一貫して行うことが可能になりました。
簡易気密室内装置
サンプル開封からSEM観察まで、各装置間において大気非暴露搬送が可能です。短絡対策を施した専用のホルダーを用いることで、充電状態の電池にも対応いたします。
試作例
-
- 露点-80℃以下のArガス中でサンプルを取り扱います。
-
- Arイオンミリングによって電極の断面試料を作製します。
- 試料冷却機構搭載
-
- 電極構成材の微細構造、空隙の様子等を明瞭に観察できます。
- EDX検出器搭載
関連リンク・関連記事
- 静水圧プレスを利用したラミネート型全固体電池の試作 [事例集PDF]
- ラミネート型全固体電池用の電極作製 [事例集PDF]
- 硫化物系全固体電池用解析設備 [事例集PDF]
JFE-TEC Newsバックナンバー
- No.54(2018年1月)全固体電池の電子顕微鏡による界面分析 ~硫化物型全固体電池解析設備の新設~
このページに関する
お問い合わせはこちらから
- JFEテクノリサーチ株式会社 営業本部
- 0120-643-777