化学分析
微量分析
高純度化や高機能化に開発が進む先端的材料開発においては、化学分析によって、主成分元素から微量添加元素の濃度、不純物元素の有無や濃度レベルを把握することが重要となります。
しかし、開発や試作段階では、試料量が限られてしまうことにより、分析元素が限られてしまうケースが多々あります。
当社では、これまでの各種材料の分析事例から得られた経験をもとに、主成分、微量成分の予想濃度レベルに応じて、最適な分析方法を選択し、限られた試料量で、精度良く化学分析を行うことが可能です。
鉄鋼・非鉄金属材料分析
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鉄鋼・非鉄材料の高純度化や高機能化に関する研究が進み、これらの材料中に微量含まれる元素の添加効果や不純物制御により、材料の高性能化・高機能化の可能性が明確になるにに従い、微量元素の含有量を正確に定量できる、高感度・高精度な分析は大変重要となってきています。
当社では金属材料中の微量成分を分析するため、試料の成分組成に応じた最適な試料前処理法と、濃度レベルに適した検出手法を組み合わせて、微量金属成分、ガス成分、ハロゲン等の分析を行います。
分析事例
- 材料中極微量元素の高精度定量 [事例集PDF]
- ICP質量分析法による高純度材料・製品の多元素同時分析 [事例集PDF]
- 材料の主成分/微量元素の多元素同時測定 [事例集PDF]
- 各種材料のガス成分分析 [事例集PDF]
- レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析法(LA-ICP-MS)
- 高純度金属、電子材料などの極微量分析
先端材料分析(機能材料分析)
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電池材料(活物質、セパレータ、電解液)、半導体、磁石、ターゲット材、熱電材料等の高機能材料開発においては、微量添加元素や不純物元素の濃度レベルを把握することが重要となります。
大気中の水分や酸素によって、性状が変化する恐れのある試料には、極低湿度環境下のドライルームや大気非暴露環境下のグローブボックス等で分析し、測定環境から混入の恐れのある元素の極微量分析では、クリーンルームの中での分析など、各試料に適した環境、設備での分析を行うことにより、正確、高精度な分析値をご提供します。
分析事例
- 先端材料開発における化学分析技術 [事例集PDF]
- ICP-MSによる極微量分析技術 [事例集PDF]
- 超純水や高純度液体のppbレベル極微量分析 [事例集PDF]
- 磁石・電子材料中の希土類(レアアース)分析技術 [事例集PDF]
- 高機能セラミック材料の組成・不純物評価 [事例集PDF]
- リチウムイオン電池 の電解質評価技術 [事例集PDF]
- レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析法(LA-ICP-MS)による電池構成部材の分析
- 微量ハロゲン・硫黄分析 [事例集PDF]
- 高純度金属、電子材料などの極微量分析
化学・医療関連分析
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インプラントや手術用部材などの医療用材料、医薬品中の不純物や溶出成分の分析、化学製品・原料中の微量成分分析にも対応致します。
溶出試験については、JIS、ISO、EN等各種規格に対応しますのでご相談ください。
分析事例
- フォトレジスト原料中極微量不純物の分析 [事例集PDF]
- 有機材料・薬品の微量分析 [事例集PDF]
- 医療機器からの溶出元素評価試験 [事例集PDF]
- 医薬・食品・半導体用途樹脂材料からの金属溶出量評価 [事例集PDF]
- 微量ハロゲン・硫黄分析 [事例集PDF]
分析方法の決定と分析実施の流れ
受領時の試料確認 お客様から御提供頂いた試料を確認し、適切な分析方法をご提案します。
適用対象試料と定量下限
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適用対象試料と形状
- 電池材料(正極/負極活物質、電解液、ブラックマスなど)
- 表面処理剤 めっきなど
- 各種合金類、焼結体
- 希土類磁石
- 炭素材料(グラファイト、CNT)
- 樹脂材料 等
バルク、粉末、薄膜等各形状試料の分析が可能です。
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微量分析における定量下限
金属元素 1ppm(ICP質量分析法) 硫黄(S)
ハロゲン5~10ppm(燃焼-イオンクロマト法) ※試料量、元素により異なる場合があります。
組成不明試料や不純物分析等では定性分析実施後、検出成分を定量分析することも可能です。
リチウムイオン二次電池分析事例
微少量試料での化学分析
組成分析と微量の不純物分析が試料量数十mgで実施可能です。
目的 | 分析成分 | 分析方法 |
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組成分析 | ビスマス(Bi)、テルル(Te) | ICP発光分光分析法 |
定性分析 | 不純物成分 | ICP質量分析法 |
熱電変換素子分析事例
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試料量5mgでの高精度分析
三元系正極材の主要成分(Ni、Mn、Co、Li)の分析を試料量を減らして、ICP発光分光分析法により分析を実施した事例を示します。
wt%
元素 含有率±σ リチウム(Li) 6.82 ±0.16 マンガン(Mn) 16.7 ±0.4 コバルト(Co) 18.8 ±0.4 ニッケル(Ni) 17.6 ±0.4 -
充電率を変えた負極中リチウム量の分析
大気非暴露での電池解体、秤量技術と微少量での分析技術を組み合わせ、充電に伴うリチウム量の変化や、充放電後の負極に存在する不可逆なリチウム量を定量的に把握できます。
希土類磁石の分析事例
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不活性ガス中での熱消磁について
窒素雰囲気下で加熱し消磁処理を行います。消磁処理が困難な場合はご相談下さい。
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希土類成分のICP発光分光分析
Nd、Dy等の希土類は測定波長が干渉しやすく測定が難しい成分ですが、干渉を考慮した高精度な測定を実施しています。
目的 分析成分 分析方法 組成分析 ネオジム(Nd)
ジスプロニウム(Dy)
鉄(Fe)
ホウ素(B)ICP発光
分光分析法定性分析 不純物成分 ICP質量分析法
医療機器からの溶出元素評価事例
インプラントをはじめとする医療機器は体内に埋め込む、あるいは比較的長期間生体内にとどめて使用します。このため、溶出物が生体に影響を与える可能性があり、溶出試験を実施して溶出元素を把握しておく必要があります。当社ではご要望に応じた各種条件による溶出試験を実施しています。
詳しくはこちらから作業の流れ
関連ページ・関連リンク
JFE-TEC Newsバックナンバー
- No.46(2016年1月)極微量分析技術(9)~材料、日用品、装身具からのニッケル溶出試験(欧州規格EN1811)~
- No.41(2014年10月)極微量分析技術(8)~磁石・電子材料中の希土類元素(レアアース)分析技術~
- No.39(2014年4月)極微量分析技術(7)~医療用器具・材料の溶出評価試験~
- No.36(2013年7月)極微量分析技術(6)~燃焼-イオンクロマトグラフィーによる 固体試料中の微量ハロゲン・硫黄分析技術~
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