検査・計測
膜厚分布測定装置 FiDiCa®(フィディカ)
膜厚分布を非接触で高速・高精度に測定・可視化
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- 半導体やフィルム、液膜などの膜厚分布を非接触で高速・高精度にマッピングできる、2次元分光干渉膜厚計
- 50nm~800μmまで、幅広い膜厚(薄膜、厚膜、極厚膜)レンジの測定に対応
- 分光干渉法を用いた高い測定精度
- 独自アルゴリズムを用い、100万点~400万点の測定データを数分で高速演算
- オフラインの卓上装置から、インライン機までカスタマイズ可能
- 多層膜測定にも対応
光干渉を利用した膜厚測定とは?
光干渉を利用した膜厚測定とは、測定対象の表面と裏面の反射光間で発生する干渉の分光強度(スペクトル)から膜厚値を求める半導体やフィルム業界ではスターンダードな手法です。FiDiCa®では豊富なラインナップで、50nm~800μmの膜厚が測定可能です。
具体例として
- 半導体の場合:
シリコンウェーハ上の酸化膜やレジスト等の厚み。また各種ウェーハそのものの厚み管理が可能です。
面の膜厚情報により、厚みが管理値内に入っているかだけでなく、厚みの傾向や局所的な欠陥などが検出可能です。 - フィルムの場合:
フィルム原反の厚みムラだけでなく、その上のコーティングや多層測定も可能※1です。
面の膜厚情報により、スジ状の欠陥や幅方向のムラなど、従来の点の膜厚計では不可能であった検査が可能です。 - その他の事例:
電子部品や半導体材料、油膜、液膜、接着剤など、厚み管理が課題の幅広いアプリケーションに利用されております。
※1 材質、層構造によります。
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膜厚測定の原理
屈折率n1の膜に対して色々な波長λが含まれる白色光を入射角θ0で入射すると、表面反射光と、屈折角θ1で屈折したあと膜の裏面で反射した裏面反射光との間に光路差2n1dcosθ1(位相差2n1dcosθ1/λ)が生じるため(図1)、波長λによって強め合ったり、弱め合ったりする干渉現象が起こります。 この干渉現象は膜厚によって変化するため(図2)、分光スペクトルデータを解析することにより膜厚を算出することが可能になります。当社では、ハイパースペクトルカメラを用いて分光スペクトルデータを取得することによって、高速な膜厚測定を可能にしています。(関連ワード:分光干渉膜厚計・光干渉膜厚計)
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(図1)分光干渉法による膜厚測定とは -
(図2)膜厚と分光スペクトル
従来法と膜厚分布測定装置FiDiCa®の比較(薄膜モデルで厚み測定実施の場合)
<従来法>エリプソメトリ(エリプソメータ―)/分光干渉膜厚計 | 膜厚分布測定装置FiDiCa® | |
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1万点 | 測定点数 | 400万点 |
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数時間 | 測定時間 | 数分 |
X-Y2軸スキャン | スキャン | 1軸 |
膜厚分布測定装置FiDiCa®シリーズ製品ラインナップ
Sシリーズ 標準モデル
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特長
- 100万点~400万点を2分以内で高速測定・膜厚計算
- 豊富なラインナップで多様なアプリケーションに適用可能
- 研究開発から欠陥検査まで適用可能
- 主な用途
- 薄膜モデル:SiO2膜、スパッタ膜、レジスト、液膜、油膜、コーティング膜
- 厚膜モデル:各種ウェーハ、PETフィルム、その他フィルム、ガラス等
- 極厚膜モデル:各種ウェーハ、バルクウェーハ、フィルム、ガラス等
型式 FDC-S□□□□ 計測膜厚範囲※1 50nm~20μm(薄膜モデル)
1μm~100μm(厚膜モデル)
20μm~800μm(極厚膜モデル)測定サイズ 4インチ~12インチウェーハ
A4サイズ測定点数 約400万点(薄膜モデル)
約150万点(厚膜モデル)
約100万点(極厚膜モデル)空間分解能※2 約50μm~150μm(薄膜モデル)
約80μm~250μm(厚膜モデル)
約100μm~300μm(極厚膜モデル)測定速度※1 2分以内 繰り返し再現性※3 3σ<1.0nm(薄膜・厚膜モデル)
3σ<10nm(極厚膜モデル)装置サイズ
(12インチウェーハの場合)約W810×D820~880×H2,000mm - 材質、条件によります。
- サンプルサイズによります。
- 校正された厚さ1μmのSiウェーハ上のSiO2膜にて。
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クリーンルーム用モデル シリコンウェーハ上の酸化膜測定例
Hシリーズ 高分解能モデル
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特長
- 6インチウェーハの全面測定可能
- サンプル全面測定と局所的な厚さを高分解能(約5μm)で測定可能
- 卓上に設置出来るコンパクト設計
- 主な用途
- デバイスパターン上の膜厚分布測定 等
型式 FDC-H1510 計測膜厚範囲※1 100nm~10μm 測定サイズ 局所測定:約3mm角
全面測定:約150mm
(6インチウェーハ)測定点数 約20万点 空間分解能 約5μm 測定速度※1 局所測定:約30秒
全面測定:約10分繰り返し再現性※2 3σ<1.0nm 装置サイズ W500×D620×H280mm - 材質、条件によります。
- 校正された厚さ1μmのSiウェーハ上のSiO2膜にて。
高分解能FiDiCa® [事例集PDF]
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FDC-H1510 高分解能測定例
Wシリーズ ウェブ検査用モデル
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特長
- カメラ、照明を一体のユニット化したモデル
- 現地調整不要で設置・交換が容易
- 複数台設置により幅広な対象にも対応可能
- ラインスキャンによりインライン膜厚の測定が可能
- 主な用途
- フィルム、ガラス、基材上の塗工膜等のインライン膜厚測定
型式 FDC-W2520 FDC-W5020 計測膜厚範囲※1 100nm~20μm 測定幅※2 100mm 500mm 空間分解能 0.13mm 0.26mm 測定速度※1 約20ライン/秒 繰り返し再現性※3 3σ<1.0nm 装置サイズ W320×D220×H850mm W640×D220×H850mm - 材質、条件によります。
- 対象物により、更なる幅広対応も可能です。
- 校正された厚さ1μmのSiウェーハ上のSiO2膜にて。
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設置イメージ フィルム上の塗工厚測定値
Dシリーズ 広レンジモデル
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特長
- 薄膜~厚膜まで幅広い膜厚範囲を測定可能(FDC-D30HU)
- サンプル全面測定と局所的な高分解能(50μm)測定(FDC-D3020)
- CtoC搬送機付きモデルあり
型式 FDC-D30HU
(薄膜~厚膜測定)FDC-D3020
(高・低分解能測定)計測膜厚範囲※1 50nm~100μm 100nm~20μm 測定サイズ 4~12インチウェーハ(選択可) 測定点数 約400万点 空間分解能 約5μm~150μm 測定速度※1 10分以内 繰り返し再現性※2 3σ<1.0nm 装置サイズ 仕様による - 材質、条件によります。
- 校正された厚さ1μmのSiウェーハ上のSiO2膜にて。
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CtoC搬送機付きモデル
膜厚分布測定装置FiDiCa®(フィディカ)測定事例
シリコンウェーハ
シリーズ Sシリーズ モデル 薄膜モデル 空間分解能 約75μm 測定点数 約400万点 -
外観写真 -
膜厚分布図
ポリカーボネートコート(DVD)
シリーズ Sシリーズ モデル 厚膜モデル 空間分解能 約100μm 測定点数 約150万点 -
外観写真 -
膜厚分布図
OHPフィルム
シリーズ Sシリーズ モデル 薄膜モデル 空間分解能 約100μm 測定点数 約400万点 -
外観写真 -
膜厚分布図
バルクウェーハ
シリーズ Sシリーズ モデル 極厚膜モデル 空間分解能 約100μm 測定点数 約100万点 -
外観写真 -
膜厚分布図
PETフィルム(100μm)
シリーズ Sシリーズ モデル 極厚膜モデル 空間分解能 約200μm 測定点数 約100万点 -
膜厚分布図
PETフィルム(250μm)
シリーズ Sシリーズ モデル 極厚膜モデル 空間分解能 約200μm 測定点数 約100万点 -
膜厚分布図
パターン付きウェハの膜厚分布測定
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シリーズ Hシリーズ モデル 高分解能モデル 空間分解能 約5μm 測定点数 約20万点 -
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潤滑油の膜厚分布
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御導入の流れ
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関連ページ・関連リンク
- 基板の窓口 インタビュー動画(YouTube):https://www.youtube.com/watch?v=EGqUMiWA2Tw
- 基板の窓口 Webサイト(SEMICON JAPAN特集記事内):https://jpcb.jp/pickup/?m=detail&pkid=290
- アペルザTV(オンデマンド):https://tv.aperza.com/watch/840
- LED光源を用いたFiDiCa® [事例集PDF]
- ロール搬送フィルムの膜厚測定 [事例集PDF]
JFE-TEC Newsバックナンバー
- No.79(2024年5月)【最近の計測装置特集号】局所的な膜厚分布測定が可能な「高分解能FiDiCa®」
- No.79(2024年5月)【最近の計測装置特集号】2次元膜厚分布測定装置FiDiCa®極厚膜モデル
- No.75(2023年5月)【2023 年 新商品特集号】基材厚も測定可能な「極厚膜FiDiCa®」
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