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2022年08月08日
自動車電動化に対応した超電導磁石評価事業を本格化 ~超電導VSMの導入~
JFEテクノリサーチは、西日本ソリューション本部内に設置している倉敷材料評価センターにおいて、磁性体(電磁鋼板、圧粉磁心、アモルファス、ナノ結晶材、パーメンジュール、フェライト、希土類磁石等)の評価を種々の環境下(温度、圧力)で行ってまいりました。これまでの希土類磁石の評価手法の拡充として、超伝導VSMを導入致しました。
カーボンニュートラル宣言以降、電動車(EV、HEV、PHEV、FCV)に対する社会的な期待はますます高まっており、自動車各社は、より優れたEVの開発にしのぎを削っています。電動車の駆動モータは走行のための出力を担う最も重要な部品であり、高効率かつ小型化・高トルク化が要求されおり、このようなモータには、高い残留磁束密度と保磁力をもつ希土類磁石が用いられています。
磁石評価としては、従来からBHトレーサ等による減磁曲線や履歴曲線の測定、高周波用途で特に重要となる渦電流損失の室温から高温における測定、磁石全体の総磁束測定、磁石単体や磁石埋込み型ロータ表面の3次元表面磁束測定などの種々の解析評価を実施してきました。また希土類磁石の構造解析として極低加速電圧SEMやFE-EPMAを用いた結晶相の同定や磁区観察、着磁状態でのSEM観察なども実施しております。
今回導入された超伝導VSMは、物質の磁気的性質の中で、最も基本的である磁化特性を高磁場まで自動測定する装置です。磁化器により磁化された試料を一定振幅、一定周波数にて振動させ、近傍の検出コイル誘起起電力の大きさから磁化の強さを求めるもので、低温(-196℃)から高温(900℃)までの広い温度範囲かつ高磁場の環境下で、粉体・薄膜・バルクなど各種磁性材料の磁化曲線、透磁率を高感度、高精度で測定ができます。これにより、更に種々の磁性体評価が高精度に実施出来る様になり電動車モータの高効率化に向けた解析をワンストップで実現できるようにしました。
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