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No.19「表面処理製品の耐久寿命評価(3)」

No.19 多層断面構造溶接ワイヤの特徴と今後の展開 他

表面処理製品の耐久寿命評価(3)~塗装金属製品の耐久寿命評価~

塗装金属製品の耐久寿命は、上塗り塗膜表面の耐久性と塗膜の層間や塗膜と金属の接着耐久性の2つに分けて総合的に評価します。

上塗り塗膜表面の耐久性

上塗り塗膜は、着色顔料や防食顔料を含む熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂の膜です。塗装金属製品が屋外で使用されて いると、その表面は紫外線や熱にさらされて樹脂の劣化が起こります。この結果、塗膜の色調や光沢が変化して美観が損なわれ、さらにはチョーキング*と呼ばれる現象や割れが発生して塗膜の防食性能が低下します。上塗り塗膜の耐久性を評価する試験には、サンシャインウェザオメーター試験キセノンウェザオメーター試験があります。サンシャインウェザオメーター試験は、炭素電極のアーク放電で発生する強い光を塗装した試験片に照射する試験です。200~400時間の試験が1年間の屋外暴露に相当します。太陽光に最も近似したキセノンアークを光源とする試験がキセノンウェザオメーター試験で、欧米を中心に最近よく行われるようになりました。

塗膜の層間や塗膜と金属の接着耐久性

塗装した金属製品でも塗膜の中に浸透した水分が金属の表面に達すると金属の腐食が起こり、やがて塗膜がはがれていきます。また、塗膜の層間でも浸透した水によるはがれが起こります。塗装金属製品の接着耐久性試験には、温水浸漬促進試験や温度勾配試験があります。温水中で水を浸透させる温水浸漬試験では水の透過速度が小さく、耐久寿命の評価に半年から数年もの時間がかかります。温度勾配試験は、金属側の温度より塗膜表面の温度を高くすることによって水の透過速度を高める試験方法です。この方法では、図に示すように塗膜側と金属側の温度差を変えてデータをとり、それらのデータを外挿して実使用条件での耐久寿命を評価できます。また、2ヶ月程度で耐久寿命を評価できるという利点があります。

*チョーキング:塗装面の表層樹脂が劣化し、塗料の着色顔料がチョーク(白墨)のような粉状になって顕われる現象や状態をいいます。

温度勾配試験による塗膜の接着耐久寿命の評価
図 温度勾配試験による塗膜の接着耐久寿命の評価

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