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No.31「材料の成形限界評価」
JFE-TEC News No.31号 電池材料の物理解析技術(1) 他 記事一覧
No.31 電池材料の物理解析技術(1) 他
材料の成形限界評価~精度良く簡便に成形限界線図を作成する方法~
はじめに
材料の成形性について、その限界を予測することは非常に重要なことであり、これまでも様々な方法が提案されてきました。当試験では、体系化された方法を組み合わせ、さらにその解析手法を簡略化、自動化することにより、材料の成形限界線図(FLD:Forming Limit Diagram)を精度良く簡便に作成することを可能としました。
試験方法の特徴
FLDを作成するには、あらかじめ、ひずみ測定用のスクライブドサークル(写真1参照)をプリントした鋼板を、主ひずみ方向(E x)のひずみ量とその直交方向(E y)のひずみ量の組み合わせが複数(等二軸、不等二軸、平面ひずみなど)になるように金型形状や潤滑条件などを変えて成形してそのExとE yを求め、そのときの限界ひずみを求める必要があります。特に、E xと Eyのひずみ量を同一にした場合(等二軸変形)の限界ひずみは、もっとも重要な指標となります。等二軸変形の場合の例を写真1に示します。液圧バルジ試験機(写真2)を用いることにより、高精度で等二軸変形量を測定することができます。板厚の範囲は0.1~2.0mm、強度の範囲は等二軸変形で破断するまでとなります。また、高精度の等二軸変形を必要としない場合(E xとE yが正確に1:1ではなく、多少差異があってもよい場合など)は、板厚範囲、強度範囲を広げることができます。さらに、不等二軸変形を行わせることにより、中間ひずみ領域の測定および高張力鋼板の試験を行うことができます。
加えて、このようにして得られたデータの解析手法を簡略化、自動化することにより、材料のFLDを簡便に作成することができます(図1)。
当成形限界評価試験法は、以上の様な特徴を有しておりますので、お客様の様々な材料の成形限界評価のご要望に十分お応えできます。
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