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No.34「金属材料の出張分析GreenFACT®︎」

JFE-TEC News No.34号 クライオ機能を活用した電子顕微鏡観察用の試料作製技術 他 記事一覧

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No.34(2013年01月)
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No.34 クライオ機能を活用した電子顕微鏡観察用の試料作製技術 他

金属材料の出張分析GreenFACT®︎~鉄鋼中炭素を高精度に分析する出張分析システム~

はじめに

写真 GreenFACT_測定の様子
写真 GreenFACT®︎測定の様子

近年、鋼材等の海外調達品増加に伴い製造現場や建設現場等でのオンサイト成分分析ニーズが拡大しています。当社は2007年に可搬式スパーク発光分析装置(GreenFACT®︎)を用いた金属材料の出張分析事業を開始し、実績を積み上げてきました。

GreenFACT_出張分析は、専門の技術者が現地に赴き、その場で迅速に金属材料の成分を分析するものです(写真は測定の様子)。

本装置は類似の他社分析装置に比べ、特に鋼中炭素含有量の分析精度に優れており、0.01%レベルの炭素量を正確に測定することができます。他の金属元素(15元素)も同時に高精度に分析することが可能です(表1)。

鉄鋼中炭素分析精度に優れている理由

表1 GreenFACT®︎の分析条件
  GreenFACT®︎
原理 スパーク放電発光分光分析法
波長範囲 190 ~ 410nm
分光器 温度安定型分光器(300mm)
回折格子 3600 本/mm
検出器 光電子増倍管(PMT)
測定成分 C,Si,Mn,P,S 等15 成分
C 検出下限 0.003%

①高感度検出器を採用:本装置は光電子増倍管(フォトマル、PMT)を検出器に使用しています(表1)。これは製鉄所の溶鋼分析値の品質保証に用いる大型・高性能の据置型スパーク発光分析装置と同等の性能を有する検出器で、一般的なCCD検出器に比べ炭素、リンおよび硫黄の分析精度が優れています。

②分光器内の高精度温度調節機能を保有:分光器は測定温度変化の影響を受け易く、分析精度低下の要因となります。本装置には分光器内の温度を0.1℃単位で制御する機能が付与されております(表1)。これにより装置内の分光環境が安定します。

本装置の鋼中炭素分析精度

JSS鉄鋼認証標準物質を用いた炭素分析データを表2に示します。低炭素域(C=0.01 ~ 0.02%)で±0.002%の精度で分析が可能です。

単位/%
表2 GreenFACT®︎の炭素分析精確さ
  JSS1002-1 JSS1003-1
C 認証値 0.0083 0.019
n=1 0.009 0.019
n=2 0.008 0.017
n=3 0.009 0.018
n=4 0.006 0.019
n=5 0.009 0.018
n=6 0.010 0.019
n=7 0.009 0.020
n=8 0.009 0.021
n=9 0.008 0.019
n=10 0.010 0.017
Ave 0.0087 0.0187
精確さ ±0.002 ±0.002
S.D. 0.001 0.001
CV% 13 7

まとめ

GreenFACT®︎は特に炭素の分析精度に優れており、鋼材規格判定やPMI検査に有効です。出張分析は、東日本(川崎)と西日本(福山)の2拠点で全国展開しており、現場で迅速かつ高精度な成分分析の提供が可能です。

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