JFE-TEC News
No.45「 蛍光撮像によるコーティング欠陥検査」
JFE-TEC News No.45号 リチウムイオン二次電池の分析・評価技術(2) 他 記事一覧
蛍光撮像によるコーティング欠陥検査
No.45 リチウムイオン二次電池の分析・評価技術(2) 他
蛍光撮像によるコーティング欠陥検査
Inspection of Coating Defects by Ultraviolet-excited Fluorescence
屋外用途の電子基板では耐環境性、特に基板腐食の原因となる湿度対策が重要とされています。防湿性を有する有機皮膜コーティングにより湿度対策がなされますが、抜けなくコーティングされているかが重要な品質管理項目となっています。防湿皮膜には紫外線の照射により蛍光を発するものが使用されており、ブラックライトを照射して塗布部全面で蛍光発光しているかの目視検査がなされています。電子基板はICチップやコンデンサなどが実装された立体形状物であり、多くの視野からの総合的な判断が可能な目視検査は有力な手法ですが、検査員ごとの判断基準の差や検査結果の保存によるトレーサビリティの確保などに問題があり、検査装置の開発が望まれていました。
当社では、照明とカメラの光軸を一致させた同軸照明構造により、立体構造物の影による検査死角を最小化した検査システムを開発しました。従来の同軸照明は、紫外および励起光がハーフミラーにより散逸され、光量不足になる問題がありましたが、当社では紫外線と励起蛍光の波長の違いを利用した特殊な反射・透過ミラーの採用により、紫外線および蛍光の強度低下を最小化しました。図1は基板の蛍光発光を800dpi(32μm/画素)の解像度で撮像した結果です。コーティングの有無と同時に同一下地部分ではコーティング厚みの差による蛍光強度の差も捕らえることができています。図2はリードフレーム上の模擬欠陥(異物)の撮像結果です。0.03mm2の微小欠陥を検出できていること、ICチップの影が映りこむことなく、リードフレームの根元まで死角なく検査できていることが判ります。
図1 防湿コーティング基板の蛍光画像 |
図2 模擬欠陥画像 |
今回は電子基板の防湿コーティング欠陥検査装置をご紹介しましたが、目視検査を自動化するご要求がありましたら、お気軽にご相談下さい。
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