No.46「極微量分析技術(9)」

No.46
極微量分析技術(9)~材料、日用品、装身具からのニッケル溶出試験(欧州規格EN1811)~
Analysis of Nickel Content Released from Materials, Daily Use Articles, and Accessories Based on EN1811

はじめに

ニッケル(Ni)製品の人体への影響は広く知られており、皮膚などへの長期間の接触によって、アレルギーなどを引き起こす可能性があります。そのため欧州では、皮膚に直接かつ長期間接触する可能性のある製品の使用や、流通させる場合の規制基準が設けられています。製品からのNi溶出量が基準を満たすかどうかは、欧州規格「EN1811」に規定された標準試験法によって評価されます。

ニッケル溶出試験の概要

図1 浸漬時の様子
図1 浸漬時の様子

試験対象となる試料を人工汗に浸漬させ(図1参照)、恒温槽内で30±2℃で1週間(168±2時間)保持します。人工汗中に溶出したNiは、ICP質量分析法など、濃度レベルに応じた分析方法で定量し、単位表面積あたりの溶出量(μg/cm2/week)を算出します。表1に、検査対象となる製品の具体例と、Ni溶出量の規制値を示しますが、装身具等以外にも、人体に直接接触する可能性のある電気・電子製品等の評価事例が増えています。

表1 Ni溶出量の規制値(EN1811)
(μg/cm2/week)
対象製品例 規制値
ピアス穴への挿入部材 <0.2
・イヤリング
・ネックレス、ブレスレット、チェーン、アンクレット、指輪
・腕時計(本体、バンド、留具)
・リベット(ボタン、留具、ジッパー)
その他衣服に利用される金属製品
<0.5

まとめ

当社では、様々な組成・形状の製品を対象にした溶出試験を実施しております。また、前処理から測定まで、分析操作の大部分を、汚染の少ないクリーンルーム内で実施することが可能ですので、極微量レベルの分析に対応でき ます。さらに、試験条件や報告書様式は、規格に準拠したものだけでなく、ご要望に沿ったものをご提案させていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。

このページに関するお問い合わせはこちらから

  • お問い合わせ
  • ご依頼の流れはこちら

JFEテクノリサーチ株式会社 営業本部

「極微量分析技術」 シリーズ一覧