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No.53「【最新技術紹介】SA評価試験のための第一種大型圧力容器の導入」
JFE-TEC News No.53号 小特集:マルチマテリアル 記事一覧
【最新技術紹介】SA評価試験のための第一種大型圧力容器の導入
No.53 小特集:マルチマテリアル
【最新技術紹介】SA評価試験のための第一種大型圧力容器の導入~高圧力蒸気暴露試験設備の拡充~
Introduction of Large-sized Class-1 Pressure Vessel for SA Evaluation Test
はじめに
東日本大震災を契機に、原子力発電所において、想定外の過酷事故(SA)に発展した場合でも、計器類が性能を維持できるかの評価が義務付けられるようになりました。評価試験の一つとして計器類を高温(100~250℃程度)の蒸気雰囲気下にさらす蒸気暴露試験があります。当社では今日まで小型圧力容器を用いて試験を行ってきました。しかし、計器類の大型化への対応または、複数の計器を同時に評価したいという需要が高くなったことから、大型の圧力容器(写真1)を導入いたしました。ここでは、当社が導入した大型圧力容器の特長及び適用例をご紹介いたします。
特長
圧力容器は、内径80cm、高さ2mの大きさを持ち、高温(250~300℃)の試験ができます。ヒーターが上蓋、側面及び底部に設置されており、各々独自に温度制御できるため、種々の温度プロファイルに対して柔軟に対応が可能です。また、圧力容器からケーブル等を取り出すことができ、試験中に連続して試験体の出力信号を読み取ることができます。仕様の詳細は、図1及び表1に示します。
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図1 第一種大型圧力容器の模式図 -
表1 第一種大型圧力容器の仕様 項目 仕様 容器内サイズ(内径×高さ) φ800mm×2000mm 内容積 0.93m3 常用温度(設計温度) 250℃(300℃) 常用圧力(設計圧力) 1.2MPa(1.6MPa) 耐荷重 500kg
適用例(蒸気暴露試験)
当社の設備は、飽和蒸気または、過熱蒸気環境を模擬した試験が可能です。過熱蒸気環境とは、飽和蒸気をさらに加熱することにより得られる高温の状態のことです。特に、温度と圧力の制御が難しい環境ですが、当社の設備では、ヒーターの温度を独自に制御することにより温度は安定して保持できます。
おわりに
試験中連続して計測が必要なセンサ類、また、圧力容器の大きさを生かし、複数の試験体で形成されたユニットの蒸気暴露試験が可能です。さらに、試験体を水没させる没水評価、高温での熱劣化試験など、お客様のご要望にお応えします。お気軽にご相談ください。
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