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No.54「【最新技術紹介】アクティブサーモグラフィによる非破壊検査」
JFE-TEC News No.54号 小特集:電池解析 記事一覧
【最新技術紹介】アクティブサーモグラフィによる非破壊検査
No.54 小特集:電池解析
【最新技術紹介】アクティブサーモグラフィによる非破壊検査~3Dロックイン法による欠陥検査技術~
Active Thermography for Nondestructive Testing
はじめに
アクティブサーモグラフィは、サンプルへの加熱に伴う温度変化を赤外線カメラで測定することで、内部欠陥を検出する方法です。欠陥は周囲とは熱の伝わり方が異なるため、サンプル表面の温度変化に影響することを利用しています。
当社では、内部欠陥の深さ方向の位置を簡単に精度よく特定可能な3Dロックイン法を新たに開発しましたので、ご紹介致します。
3Dロックイン法
従来のロックイン法では、周期加熱に伴う温度変化を全区間に渡って解析します。サンプルの浅い位置を検査するには熱の浸透を浅くするため加熱周期を短く、逆に深い位置まで検査するには加熱周期を長くする必要があります。
3Dロックイン法の解析原理を図1に示します。サンプル加熱後の冷却過程で、冷却直後はサンプルの浅い位置からの情報が得られ、その後時間が経過するにつれて、徐々に深い位置からの情報が得られることがわかります。
この現象に着目し、加熱後の解析区間を指定することで、1つのデータから複数の深さ位置の解析を行うことを可能にしました。
図2に内部はく離のある厚さ1.5mmのCFRP板に適用した結果を示します。従来のロックイン法では、はく離の深さ情報が得られませんでしたが、3Dロックイン法で0.1mmごとの深さの解析を行うことで、内部はく離の形状を3次元表示できることがわかります。
おわりに
今回開発した3Dロックイン法は、欠陥の検査以外にも、接着部・接合部の評価や塗膜下の異物の検査などにおいても低ノイズの解析が行えるため、有効な手段となります。
今後とも、赤外線カメラを用いた革新的な非破壊検査技術に挑戦します。ご興味をお持ちの方は、ぜひお問い合わせ下さい。
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