JFE-TEC News
No.64「インフラ評価技術(1)」
JFE-TEC News No.64号 構造性能センター 特集号 記事一覧
No.64 構造性能センター 特集号
インフラ評価技術(1)~大型構造部材の万能試験が可能~
Testing Machine for Compressive, Tensile, and Bending Tests on Large Structural Members
なぜいまこれが?
首都直下地震や南海トラフ・相模トラフの巨大地震など、大地震の発生が懸念される中、耐震強度の向上を目的として構造物の大型化・大断面化や使用材料の高強度化が進んでいます。
当センターでは、10MN大型構造物試験機を用いて、建設用鋼材の継手や構造部材の構造物試験、性能確認試験を実施しています。これらの試験は、建設分野の新工法・新製品の開発に貢献しています。
これがポイント!
10MN大型構造物試験機(図1)
圧縮、引張とも10MNの荷重載荷が可能です。試験空間は高さ7m×幅3m、曲げスパンは最大で20mまで対応できます。地震時に発生する外力を載荷することにより鋼管杭・鋼矢板などの部材単体としての構造性能や鋼製セグメント、柱材として使われる角形鋼管や円形鋼管などの構造性能を検証しています。
試験実施例
(1)トンネルセグメントの各種試験(図2)
トンネルの壁面は分割されたブロック(セグメント)を組み上げて構成されています。セグメント性能確認のための曲げ試験やシールド推進時のジャッキ推力の耐荷力を確認する推力試験を実施しています。大断面のセグメントの場合は3MNを超える荷重が必要となるため、本試験機が有効です。また、曲げ試験時の支点部はセグメントの円弧状に対応した独自治具を使用するので、さまざまな径のセグメントに対応できます。
(2)大型溶接継手の引張試験(図3)
鋼構造物等、厚板で構成される大型継手・接合部を大荷重で性能確認することが可能です。つかみ部のチャッキング幅は500mm、厚みは100mmまで可能です。また、オプションで継手部を一定温度に冷却しながらの試験も可能で、鋼材および溶接部の靭性が継手性能に与える影響の評価もできます。
10MN大型構造物試験機は、静的な荷重変形特性について評価でき、耐震建物や合成構造建物、超高層建物などにおける技術開発の支援にもお役に立っています。お気軽にご相談ください。
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