LSIアルミ配線薄膜のTEM観察

LSI におけるAl配線は導電性、オーミックコンタクト性、加工性に優れており、広く利用されている。LSI の微細化にともない使用条件が過酷となってAl配線の断線不良の解析が信頼性向上の点からも重要となっている。Al結晶粒形状、粒の大きさ、結晶方位、集合組織などの微視的な解析が必要とされており、SEMによる直接的な表面形状観察に加え、配線部の平面薄膜や断面薄膜を用いたTEM観察が広く行われている。

上の写真ではAlの二層配線部を模式図のようにArエッチングでシリコン基板の下部を削り取り、電子顕微鏡用の平面薄膜として作製した。Al配線が格子状に配置している配線の内部構造が示されている。LSI上の10μm角程度の領域についてのAl結晶の状態がよく見られる。縦横格子の幅およそ0.7μmと0.8μmの配線を、0.2μm程度の絶縁物がエッチング残りとしてくるむように残っている。Al配線の格子の間には研磨時に付着したと思われる異物も見られる。Al結晶はプロセスの熱処理により再結晶しており結晶粒界が竹の節状に配置されたいわゆるバンブー構造となっているが、サブミクロンの結晶も散見される。観察される結晶粒界は粒界面が配線表面に対して角度を持ち、幅が広く見えるものが多い。結晶内の析出物が粒界面上にのって見られるものもあり、それらが粒界の移動を阻害していることが想像できる。

薄膜試料作製法として今回用いたArイオンエッチング法は応用範囲が広く有用であるが、以前にも紹介したFIB(Focused Ion Beam)法とも組み合わせ、試料表面上任意の場所における平面薄膜試料作製も可能である。今後の応用範囲の拡大が期待される。

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JFEテクノリサーチ株式会社 営業本部