電子部品の不良解析例  -リフロー後のポップコーン現象-

電子部品の不良解析は、調査手順として非破壊検査(外観検査・透過X線・超音波探傷・電気特性など)を駆使して不良現象の再現や原因の推定が可能なレベルまで問題を絞り込み、その後の破壊解析に繋げる方法がとられます。また破壊解析においては非破壊解析の結果をもとに不良箇所の同定部の観察や分析を行って原因を解明します。特に非破壊解析の結果は破壊解析の内容と直接絡むため、より多くの面での非破壊調査がより高い精度の解析に結びつきます。ここでは、基板実装工程で発生した不良の解析事例を紹介します。
写真1は、ICを非破壊検査手段の一つである超音波探査映像装置(SAT:Scan Acoustic Tomograph)を用いて、樹脂とチップ界面(チップ表面側)およびチップとダイパッド界面(裏面ダイパッド側)の剥離状態を観察したものです。
超音波による検査は、欠陥部や境界面で超音波が反射する性質を利用しています。超音波深触子から発信した超音波は、水を介して披検体に入射され、表面および欠陥部で反射した後に、深触子で受信されます。これをスキャナで水平方面あるいは鉛直方向に走査して、受信したエコー強度(振幅)やビーム路程をデータ処理してCRT上に画像下します。エコー強度や位相によって配色またはコントラストが変わります。赤色のイメージ像はチップの表面・裏面で完全剥離していることを示しています。
写真2は、この試料について破壊解析の手法である断面SEM観察を行ったものです。ICチップ表面および裏面で剥離が確認され、同時に樹脂のクラック発生も確認できます。ICや電子部品を基板実装する際、樹脂(モール度部材)が吸湿していたり、チップ表面に水分が付着していたりすると、はんだリフロー時に水が水蒸気になる時点で体積膨張し、ポップコーン現象(水蒸気爆発)を起こします(図1)。その結果、樹脂とICチップ界面での剥離や樹脂クラックを引き起こすことがあります。この現象は基板実装工程において発生する不良の中でも代表的な不良要因です。この現象が発生すると、初期的にはボンディング異常やICリード端子の基板剥離を生じたり、経時的にはボンディングパッド部の腐食現象や実装部のはんだ接合異常などを誘起して、信頼性を損ねる原因になります。

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JFEテクノリサーチ株式会社 営業本部