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No.33「磁気特性の評価技術」
JFE-TEC News No.33号 電池材料の物理解析技術(2) 他 記事一覧
No.33 電池材料の物理解析技術(2) 他
磁気特性の評価技術~微小試験片による交流磁気特性評価~
はじめに
近年、環境問題、省エネ推進に対応した電子機器の発達は目覚しく、その流れの中で磁性材料も高性能、小型化が進んでいます。電磁応用製品であるモータやトランスでは電磁鋼板が磁性材料として使用されており、製品性能評価のため実装されている電磁鋼板の磁気特性評価が求められています。
特徴
写真1
微小試料単板磁気
測定装置(μ-SST)
電磁鋼板の磁気特性評価はJIS規格で規定されているエプスタイン試験や単板磁気測定で行われますが、実際の小型モータやトランスから採取できる微小試験片では、これらの測定を行うことはできません。当社では、この課題に対応した微小試料単板磁気測定装置(μ-SST:Micro Single Seat Tester)(写真1)を新たに導入しました。当装置は、5mm×20mm程度の微小試験片サイズまで測定が可能な世界最小の単板磁気測定試験機であり、特定周波数での磁化特性(磁束密度)およびエネルギー損失(鉄損)の評価ができます。
測定例
図1 小型製品モータコアの鉄損および磁束密度
(試験片サイズ:5mm×20mm)
図1に小型製品モータのロータコアから採取した微小試験片を使った交流磁気特性の測定例を示します。交流磁気特性評価では商用周波数域から数十kHzまでの磁束密度および鉄損を測定することができ、その特性値から製品モータに使用されている電磁鋼板の製品規格(グレード)の推定が可能となります。
おわりに
μ-SSTにより小型から大型までの製品モータやトランスに使用されている材料の磁気特性評価のご要望に十分お応えできます。また、当社は、磁気特性測定に加え、磁気特性に影響を及ぼす化学成分の分析、ミクロ組織、結晶方位解析などの評価による総合的な磁性材料評価が可能ですので、是非お気軽にご相談下さい。
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