No.42「微量物質の高感度計測・観察技術(4)」
~蛍光画像を利用した水面上浮遊油の検出~

No.42
微量物質の高感度計測・観察技術(4) ~蛍光画像を利用した水面上浮遊油の検出~
Detection of Oil Spill Existing on the Water Surface Using Fluorescence Imaging

油や有害物質などが海洋や河川に流出する水質汚染事故が近年多発しています。油は拡散し易く、広い範囲に亘って広がることから、環境に大きな影響を及ぼします。早期に発見し、迅速、適切に対処することが環境汚染被害を最小限に抑える上で重要です。流出油の検出は通常目視で行われますが、見通しの悪い夜間や悪天候の場合には早期検出が難しくなります。このため、レーダや分光スペクトル測定を用いたリモートセンシング方式、油と水の微小温度差を検出する赤外線方式、誘電率差を利用する方式、光学的反射特性の違いを検出する反射率測定や偏光解析方式、また、ヘリコプター搭載型蛍光ライダー方式など多くの検出方法が開発され、市販されている装置も存在します。しかし、これらの方法は面での検出ができないため時間がかかることや、検出感度が悪いことなどが問題となっていました。

当社では、これまでに残留微量物質の検出、鋼板上の防錆油塗布量、被膜付着量測定などに蛍光画像検出手法を適用してきた実績があり、その技術を活用して、流出した油や有害物質を検出する装置を開発しました。油は多くの場合、紫外波長の励起光を照射すると可視波長領域で微弱な蛍光を発することから、この蛍光を画像センサで検出することにより浮遊油を面で観測、検出することが可能となります。タンカー座礁による大量の重油流出ではなく、微量な浮遊油を検出する場合には発光する蛍光強度が微弱であることから、蛍光効率を高めるためには紫外線レーザや高輝度紫外LEDが有効となります。そこで当社では安全性、操作性、可搬性、価格などを考慮して、近年性能面で急速に進歩している紫外波長LEDを利用した可搬式の油検出装置としました(写真参照)。

図1 床の固有モード
写真 漏洩油のポータブル検出装置

さらに微弱な蛍光画像を鮮明化するために、光源の点滅画像信号を差分処理することによりS/Nの向上も実現しています。

常時観測用据置式装置や特注用途への改造も可能ですので、遠慮なくご相談下さい。

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