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No.47「リチウムイオン二次電池の分析・評価技術(4)」

JFE-TEC News No.47号 リチウムイオン二次電池の分析・評価技術(4) 他 記事一覧

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No.47(2016年04月)
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No.47 リチウムイオン二次電池の分析・評価技術(4) 他

リチウムイオン二次電池の分析・評価技術(4)~放射光利用による電池材料の分析~
Analysis of Battery Materials by Application of Synchrotron Radiation

リチウム(Li)イオン二次電池は車載用、携帯機器用など幅広い用途で利用されており、それぞれの目的にあった性能向上のための研究開発が行われています。

当社は、これまで電子顕微鏡分析法や光電子分光法、化学分析法などで行う電池材料の構造解析を受託してきましたが、今回新たに放射光を用いたX線吸収微細構造(XAFS:X-ray Absorption Fine Structure)分析の受託体制を整えました。高輝度の放射光を用いることにより、Liを含む軽元素から遷移元素、希土類元素までの詳細な構造解析が可能になります。また、充放電しながら(In-situ)の測定も可能であり、目的に応じた測定をご提案いたします。

写真1は、立命館大学SRセンター様所有の放射光施設に設置された低エネルギーX線ビームラインです。図1は、同ビームラインを用いて測定したアルミニウム(Al)箔表面の分析例です。1回の測定において光電子分光検出器、蛍光X線検出器などの複数の検出器を用いることにより、数十nm以内の極表面から内部までの深さ方向の解析が可能です。この分析結果では、Al箔の最表面がAl(OH)3となっていることが確認できます。

写真1 立命館大学SRセンター様の加速器とビームライン10
写真1 立命館大学SRセンター様の加速器とビームライン10
図1 アルミニウム箔のAl K端XAFSスペクトル
図1 アルミニウム箔のAl K端XAFSスペクトル

このように、XAFS測定から得られる情報量は非常に多く複雑ですが、当社の経験を生かした分析技術により、電池材料の活物質の状態変化、特に正極材中遷移元素(ニッケル、コバルト、マンガン等)の価数変化や、負極表面に形成されるSEI(Solid Electrolyte Interphase)等を詳細に分析することができます。

さらに当社では、リチウムイオン電池の試作から評価・解析まで一環体制で対応しております。放射光でのIn-situ測定用の特殊電池の試作なども含め、お客様のご要望に迅速に対応いたしますので、ご興味があればお気軽にご連絡下さい。

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