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No.53「【最新技術紹介】さまざまな環境での高温物質の熱分析」

No.53 小特集:マルチマテリアル

【最新技術紹介】さまざまな環境での高温物質の熱分析~操業環境対応型TG-DTAおよび大型TG試験装置~
Thermal Gravimetric Analysis in a Variety of Environments

はじめに

TG-DTA測定は、試料の温度をプログラムに従って変化させることにより、試料の重量変化測定(TG:熱重量測定)と基準物質との温度差分析(DTA:示差熱分析)を同時に行う分析技術です。

当社のTG-DTA試験装置の特徴を以下に紹介します。

(1)操業環境対応型TG-DTA試験装置

一般的なTG-DTA測定は、空気や窒素での雰囲気で行われますが、当社では実際の操業環境を模擬した混合ガスや、100%の水素、酸素、一酸化炭素等の雰囲気での測定が可能な装置を所有しております(写真1)。

本装置による測定事例として、炭材の二酸化炭素によるガス化反応の結果を図1に示します。試料をアルゴン雰囲気で1000℃まで一定の昇温速度(20℃ /min)で加熱後、温度を保持した状態で、雰囲気をアルゴンから二酸化炭素濃度20%,50%,100%と変更させた条件で、炭材のガス化反応(C+CO2→2CO)を測定します。

その結果、ガス分圧に対する試料のガス化反応率の評価が可能で、ガス種や分圧を変えることにより酸化・還元など、さまざまな反応の測定・評価ができます。

また、雰囲気条件は限られますが、最高1600℃までの測定が可能であり、二酸化硫黄やアンモニア等の腐食雰囲気や、真空雰囲気での測定にも対応しております。

(2)大型TG試験装置

試料が数mg~数十mg程度のごく少量での測定でデータがバラつく場合には、実際の利用環境に近い試料サイズ(試料容積最大500ml)でのTG試験を行うことも可能です。

おわりに

今回紹介した当社の熱分析装置により、原材料の熱物性評価やプロセス・材料開発等、お客様のさまざまな目的にお応えいたしますので、お気軽にご相談下さい。

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