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2021年03月17日

知多地区に環境耐久性試験棟を新設

JFEテクノリサーチ(株)は、愛知県知多地区の拠点に環境耐久性試験棟を新設、2月28日に竣工いたしました。

3月15日より複合サイクル腐食試験(CCT試験)*1設備4台を順次稼働させ、車載電装部品(カーエレクトロニクス製品)分野を中心とした環境耐久性試験ニーズに対応してまいります。

環境耐久性試験棟

新たに建設した環境耐久性試験棟(写真左手前)

環境耐久性試験棟 新設のねらい

自動車のEV化、自動運転化を実現するために、多くの車載用電子機器類が必要になります。特に車外に配置されるセンサー類などは直接風雨に曝されるため、厳しい環境耐久性が要求されます。多くのメーカがこれまで民生用機器で使用されていた機器を車載用途向けに改善するなど開発を進めていますが、塩害や塵、埃などへの耐久試験が新たに必要となります。特に中部圏のお客様の試験ニーズが拡大していることから、より良いサービスを迅速に提供するべく新たな環境耐久性試験棟を新設いたしました。

当社の環境耐久性試験 受託体制

当社では、鉄鋼材料の研究開発支援から電池やモータなど多様な機能部品をはじめとした部品・材料に対する研究開発支援を手掛けており、多くの環境耐久性試験や分析、解析、調査業務を受託しております。知多拠点では、CCT試験や冷熱衝撃試験*2など各種信頼性試験に加え、特殊な高濃度硫化水素雰囲気下での試験サービスも提供しております。

新棟の竣工により、3月からは大型CCT装置を含む同試験設備4台を新たに稼働させます。大型CCT試験機では最長2m、重量1トンまでの試験片に対応できます(当社所有設備では最大級)。今後も環境試験機の増設を計画しており、お客様のニーズに合わせて試験体制を増強させてまいります。

また、知多拠点では今後、最新の極低加速電圧走査電子顕微鏡(ULV-SEM)*3の導入により、先端電池材料や磁性材料など各種機能性材料の高度な解析支援の強化を計画しております。これにより環境耐久性試験から材料解析支援までの一貫したワンストップサービス体制が実現でき、カーエレクトロニクス製品分野の受託試験をより一層充実させられるものと考えております。

当社は、これら一連の投資により、環境耐久性試験の売上倍増を目指してまいります。

(注)

  • *1 複合サイクル腐食試験
    大気腐食を設備で促進する試験で、塩水等噴霧・乾燥・湿潤などの条件を設定可能。
  • *2 冷熱衝撃試験
    高温と低温の試験サイクルを繰り返し、熱ストレスによる劣化を加速させて対象を評価する試験。
  • *3 極低加速電圧走査電子顕微鏡(ULV-SEM)
    電子線の加速エネルギーを下げることで機能性材料などの表面や薄膜を鮮明に観察でき、極表面状態・元素分布調査含む高度表面解析が可能。

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