化学分析
抗菌性評価試験・抗カビ性試験
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抗菌性試験・抗カビ性試験とは
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抗菌性試験とは、製品や物質がどの程度細菌の増殖を抑制できるかを評価する試験です。主に、抗菌効果の確認(製品が本当に抗菌効果を持っているかを検証)、品質保証(消費者に対して製品の安全性と効果を保証するため)、規格準拠(特定の規格(例:JIS Z 2801)に基づいて抗菌性能を確認)を目的として実施します。
抗カビ性試験とは、製品や物質がかびの発育をどれだけ抑制できるかを評価する試験です。主に、かびの発育抑制効果の確認(製品がかびの発育を抑制する効果を持っているかを検証)、品質保証(消費者に対して製品の安全性と効果を保証するため)、規格準拠(特定の規格(例:JIS L 1921)に基づいて抗かび性能を確認)を目的として実施します。
抗菌性試験および特徴
- 抗菌性試験は大腸菌、黄色ブドウ球菌等で行います。他の菌株でも実施していますのでご相談下さい。
- 各種鋼板、塗装鋼板、光触媒素材および樹脂板など無機系、有機系の広汎な材料の評価が可能です。
- 材料の機器分析や電子顕微鏡などを用いた表面分析と組み合わせての評価が可能です。新規製品の開発の他、材料のばらつき管理や生産・品質管理に適用可能です。
- 抗菌性ステンレス鋼の開発など各種素材・材料の抗菌性評価には長年の実績と蓄積があります。
抗菌性試験の実施例
開発中の金属製品やプラスチック製品に、細菌が生育しないか調べたい!
提案試験例 | 試験法 | 規格 |
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プラスチック、金属、セラミックなどの製品の試験片に、菌液を密着させ、生菌の減少率を計数。 | 抗菌加工製品- 抗菌性試験方法・抗菌効果 |
JIS Z 2801 |

繊維製品に抗菌性を付与した、その効果を見える化したい!
提案試験例 | 試験法 | 規格 |
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定量的な評価: 試験片に菌液を染み込ませ、生菌の減少率を計数。 |
繊維製品の抗菌性試験方法及び抗菌効果 | JIS L 1902 |
定性的な効果の確認: 菌を接種した寒天培地に試験片をのせ、周囲の菌の発育阻止帯(ハロー)の大きさを測定。 |
光触媒の抗菌性を調べたい!
提案試験例 | 試験法 | 規格 |
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製品の試験片に菌液を接種し、可視光または紫外光照射下で生菌の減少率を算出。 | ファインセラミックス- 光触媒抗菌加工製品の抗菌性試験方法・抗菌効果 |
JIS R 1702 |
その他規格に準拠出来ない試験でも、お客様の要望をもとに試験を設計します。
抗菌性評価に使用する菌株(保有株)
- 黄色ぶどう球菌(Staphylococcus aureus subsp.aureus NBRC12732)
- 大腸菌(Escherichia coli NBRC3972)
他の菌株でも実施していますのでご相談下さい。
評価例(ステンレス鋼の抗菌性評価結果:大腸菌を使用)
大腸菌を含む液をステンレスに一定時間接触後、寒天培養抗菌ステンレスに接触した液では大腸菌がほぼ死滅
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抗菌ステンレス -
通常のステンレス
抗カビ性試験および特徴
「抗カビ性試験」では、JIS Z 2911を基本として様々な工業製品や材料、例えばプラスチックやガラス、ゴム、鋼板、布など幅広い抗カビ製品の性能評価を行っております。
試験には、Aspergillus niger(クロコウジカビ)・Penicillium citrinum(アオカビ)・Cladosporium sphaerospermum (クロカビ)などを単一、或いは混合して用います。
製品の種類や形状、使用するカビの種類など、どうぞお気軽にご相談・お問い合わせ下さい。
壁・床などの建築部材、或いは食品に発生するカビの同定検査なども行っております。併せてご利用下さい。
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Aspergillus niger(クロコウジカビ) 土壌や空気中から検出されることから、JIS Z 2911などの抗カビ試験用に広く用いられるカビです。
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Cladosporium sphaerospermum (クロカビ) 土壌・空気中・木材・植物・飼料・風呂目地などから検出されます。ハウスダストなどからも検出されるカビです。
抗カビ性試験の実施例
防カビ加工をした製品が「どのような種類のカビ」を「どの程度抑制するか」調べたい!
提案試験例 | 試験法 | 規格 |
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製品の試験片に、様々な種類のカビを接種し、カビの増殖を観察または計数。 ISO13629-2 準拠法の適用により、抗かび性を定量的に評価。 |
カビ抵抗性試験方法 | JIS Z 2911 |
繊維製品の抗カビ性試験方法及び抗カビ効果 | ISO 13629-2 |

清浄度の高い試験片では、試験片上でのカビの生育が緩やかで、結果判定に4 週間以上かかる場合もありますが、カビの栄養を試験片に塗布してカビの生育を促すことで、迅速にカビ抵抗性を評価することが可能になりました。
光触媒の抗カビ性を調べたい!
提案試験例 | 試験法 | 規格 |
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製品の試験片にカビを接種し、紫外光照射下で生残胞子数の減少率を算出。 | ファインセラミックス- 光照射下での光触媒抗かび加工製品の抗かび性試験方法 |
JIS R 1705 |
その他規格に準拠出来ない試験でも、お客様の要望をもとに試験を設計します。
微生物評価
私たちの回りのものの安全性や性能を微生物試験で評価いたします。
微生物の計数
微生物 | 適用される基準 | |
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排水等 | 一般細菌 | 水質基準 |
水道水基準 | ||
食品規格 | ||
大腸菌群 | 水質基準 | |
食品規格 | ||
大腸菌 | 水道水基準 | |
水質基準化が中央審議会で検討中 | ||
浴槽水等 | レジオネラ属細菌 | 公衆浴場法 |


微生物の形状や状態を観察
蛍光顕微鏡観察例(×1,000)
可視光 蛍光
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電子顕微鏡観察例(×10,000)
蛍光顕微鏡による生菌・死菌判別

作業の流れ

関連ページ・関連リンク
- 抗菌・抗カビ性評価試験 [事例集PDF]
- 可視光応答型光触媒材料の抗菌試験 [事例集PDF]
JFE-TEC Newsバックナンバー
- No.56(2018年7月)【小特集:食品・バイオ評価技術】抗菌・抗カビ試験の迅速化
- No.30(2012年1月)抗菌・抗カビ性評価試験 ~各種製品に対応した抗菌・抗カビ性の評価~
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