No.04「最近の係争事例から(3)」

No.04
最近の係争事例から(3)~インターネット上の証拠資料~

インターネット上における製品の宣伝や販売活動に絡んでの侵害訴訟が増えつつあります。しかし、ネットで公開された情報は突然改変・削除されることがあるため、証拠資料の保全面で難しさがあります。今回はネットに関連する事例を紹介します。

携帯電話用ストラップ意匠の訴訟があった

携帯電話用ストラップの意匠に関する権利を持つ者(意匠権者)が、ストラップの製造販売業者に、意匠権を侵害しているとして販売停止、損害賠償の請求を行ったのですが、この業者は、当該意匠権は無効であるから、意匠権者には製造販売等の差止請求権は無いとして、訴訟を起こしました。

ネット上の情報は有効

裁判では、この意匠が、意匠出願前から公知であったかどうかが大きな争点になりました。即ち、意匠権者が自らホームページ(HP)に、本意匠と同じストラップの写真を、出願前から公開していたとし、当該HPに掲載されたストラップの写真が証拠資料として提出されたのです。この写真は「INTERNET ARCHIVE Wayback Machine」から入手したものでした。これに対し、意匠権者は、このアーカイブは信用性に欠け、また、本HPは誤記が多くて信用できないと主張しました。しかし、地裁は本アーカイブは本意匠出願前から全世界のHPを収集・公開しており、また、国際出願では先行技術調査手段の1つとして位置付けられ、信頼性に足ることを理由に、本意匠は出願前から公知であり、従って、無効理由があるとしました。

ネット上の情報を活用

ネット上の情報は改変や削除により、それまでの情報が突然消えてしまいます。そのため、公証人による証明などで証拠保全を図ることが一般的でしたが、本事例のように、最近はネット上の情報を蓄積・提供している団体がいくつかあるので、証拠保全の一手段として利用されては如何でしょうか。なお、HP運営側の立場では、掲載内容に注意を払う必要があることはいうまでもありません。

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JFEテクノリサーチ株式会社 営業本部