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No.06「環境調査トピックス(1)」

No.06 ナノオーダーの元素分析を実現した極低加速SEM-EDS 他

環境調査トピックス(1)~アスベストの現状~

奇跡の繊維アスベスト

アスベスト(石綿)はギリシャ語で永久不滅のもの、消え去らないものを意味しています。天然の鉱物でありながら綿と似た性質を持ち、太さは髪の毛の約5000分の1程度、耐熱性に優れ、電気絶縁性を有し、耐薬品性に優れ、曲げや引っ張りに強い性質があります。アスベストの観察例を写真に示します。昭和30年代以降の高度経済成長の時期からバブル期の初頭までは大量に石綿が輸入されて、その約9割が吹付け材、耐火被覆材、断熱材等の住宅材に使用されてきました。また、水道管やブレーキ部品にもアスベストが用いられ、約3000種類の製品に使われてきました。

写真 アスベスト(クリソタイル)のSEM写真
写真 アスベスト(クリソタイル)のSEM写真

現状の問題点と今後の課題

石綿繊維を吸い込むとアスベスト肺といわれる塵肺や悪性中皮腫というアスベスト特有のガンを引き起こします。しかしアスベストに暴露されても自覚症状はなくて潜伏期間が30~40年と極めて長く、ある日突然発症します。そして現時点では有効な治療法はありません。石綿繊維を取り扱っていた従業員やその家族、さらに工場周辺の住民で悪性中皮腫が原因で死亡するケースが増えて、平成15年には全国で800人を超えました。今後はアスベストに暴露された作業員で悪性中皮腫が原因による死亡者数が増加すると予想されます。平成17年7月に「石綿障害予防規則」が施行され、石綿含有製品の製造・使用時の的確な管理とともに石綿含有建材が使用されている建築物の解体・改修作業についてもより厳格な管理が必要となりました。今後、高度経済成長の時期に建てられた建築物解体のピークに伴って大量のアスベストが特別管理産業廃棄物になり、環境問題が懸念されることでしょう。当社では、X線回折法および分散染色法を用いた石綿含有率を分析する体制、また環境気中の石綿濃度を測定する体制を整え、これらのニーズに対応しています。

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