No.09「見えない光で観る(4)」

No.09
見えない光で観る(4)~錠剤を観る~

前回と同じ波長帯の900-1700nmの近赤外光を使って、今回は錠剤を観るとどうなるかをお話しします。

可視光で見る錠剤

図1は風邪薬など市販されている錠剤から白い色をした7個を選び、通常のデジタルカメラで撮影した画像です。7個のうち2個は同じ種類の薬で、他は全て異なります。形の異なるものは容易に区別がつきますが、形と色が同じ4つは区別がつきません。

図1 デジタルカメラ画像
図1 デジタルカメラ画像

錠剤の分光反射率

900-1700nmの近赤外光に感度のあるイメージング分光器を用いて、7つの錠剤の分光スペクトルを測定してみます。図4にその結果を示しますが、図1のA~Gの各錠剤に対応して、スペクトルが少しずつ異なっていることが分かります。

図4 錠剤の分光反射率
図4 錠剤の分光反射率

近赤外光で観る錠剤

前回と同じように、イメージング分光器から得られたデータを処理してRGBを計算し、カラー画像化してみます。今回は主成分分析技術を応用して、7つの錠剤のスペクトルから複数の主成分を抽出し、各ピクセルのスペクトルデータから主成分の大きさを求めRGBの値とします。主成分分析は多くのデータからその群の特徴量(主成分)を複数個抽出する統計的手法で、対象物の特徴付けを数値計算により自動的に行うことができます。図2は抽出した主成分から3つを選び、その大きさをそれぞれR、G、Bとした場合の画像で、図3は他の3つの主成分を使った場合です。7つの錠剤にそれぞれ特有の色がついて表示され、BとCが同じ錠剤であり、他は互いに異なった錠剤であることが分かります。このような違いは、錠剤の薬効成分だけでなく、使われている糖衣や生地の分光特性によるものと思われます。
 このような技術の応用としては、錠剤などの製造工程での異材検査が考えられます。

図2 近赤外で観た画像1
図2 近赤外で観た画像1
図3 近赤外で観た画像2
図3 近赤外で観た画像2

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