No.11「特許明細書の書き方(2)」

No.11
特許明細書の書き方(2)~特許明細書を書く際の注意点~

今回は明細書を書くにあたっての注意すべき点についていくつか紹介します。

実施可能要件・新規事項

昔は、明細書に具体的なことを書くとすぐ真似をされてしまうからと、肝心な点はぼかしたり抽象的に書くことが行われたこともありましたが、今日では、実施できる程度に記載されていないと「実施可能要件無し」として特許にはなりません。また、一旦出願すると、後で審査状況を見ながら明細書の内容を追加しようとしても、「新規事項の追加禁止」としてこれは許されません。とにかく、権利化を図るには、十分に書き込む必要がありますし、これが後々の権利行使にも役に立つのです。

整合性

意外に多いのが整合性の取れていない明細書です。例えば、掲げた発明の目的が明細書のどこにも達成されたとは書いていない、目的・効果に対応した構成が書いていない、などです(図参照)。これは、目的・構成・効果をきちんと対応させて明細書を作成すれば防止できます。

図 明細書の整合性
図 明細書の整合性

用語

使用する用語は統一します。同じ概念を種々の用語で表現すると発明を不明確にする結果、権利範囲が曖昧になり、十分な特許保護が得られません。特にテクニカルタームは重要で、辞書・JISなどに記載された用語を使用するようにします。また、用語の解釈に不安が残る場合は、明細書中で定義するのも効果的です。

自己の先行発明

明細書中では、自己(自社)の発明に最も似ている先行発明(技術)と対比させて自己発明の優位性を説明する必要がありますが、この際、先行発明として他社の発明は誰もが取り上げるものの、忘れがちなのが自己の先行発明です。
 これから出願しようとする発明は、自己の先行発明の改良・発展版であることが多い、つまり、最も似ている先行発明は自己の発明である可能性が高いのです。このような自己の先行発明との対比を怠ると、審査段階で特許性を否定されかねません。きちんと自社先行発明との対比を行って優位性を主張しておきましょう。
 次回は、審査に通るためのポイントについて紹介します。

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