JFE-TEC News
No.12「新しい建設用鋼材(2)」
JFE-TEC News No.12号 ダイオキシン類の迅速分析法 他 記事一覧
新しい建設用鋼材(2)
No.12 ダイオキシン類の迅速分析法 他
新しい建設用鋼材(2)~廃棄物処分場の環境問題に対応~
当社では、建設用鋼材の継手や構造部材の構造物試験、性能確認試験を実施しています。これらの試験は、建設分野の新工法・新製品の開発に貢献しています。今回はJFEスチールのオンリーワン製品ポケット付遮水鋼製壁「Jポケットパイル」を紹介します。
海面廃棄物処分場と環境問題
近年、廃棄物処分場の不足から海域に廃棄物処分場を建設しようとする動きが活発化しており、港湾空間有効活用の重点施策として位置付けられています。海域に廃棄物処分場を建設するためには、特に環境問題の観点からの対応が肝要であり、外郭護岸など遮水性能の必要な永久構造物に用いられる鋼矢板には、隣接する鋼矢板間継手部の止水処理の信頼性向上が強く求められています。この課題に対応すべくJポケットパイルが開発されました。
Jポケットパイル
Jポケットパイル(写真1)は、従来の鋼矢板の継手内部底面に、圧延によるポケット部を設け、止水材の設置や充填材の注入を可能とした鉛直遮水壁用鋼材です。Jポケットパイルのキーテクノロジーが継手です。この継手には隣接する鋼矢板の嵌合の確実性と止水性が要求されます。ポケット部に膨潤性ゴムやシリコーン樹脂等の止水材を装填または注入することにより(図1)、止水性能を大幅に向上させた高品位な遮水壁を連続形成することができます。
Jポケットパイルの性能確認試験
当社では、Jポケットパイルの開発に当たり、さまざまな止水材料の止水性能を比較するための水圧下での止水性能試験、荷重状態での止水性能を確認するためのモデル試験(写真2)や隣接する鋼矢板の嵌合の確実性を確認するための継手嵌合強度試験等の室内試験を実施しました。
写真1 Jポケットパイル
図1 止水材の装填充填
写真2 止水性確認モデル試験
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