No.13「色を測る(4)」

No.13
色を測る(4)~イメージング分光器による色の測定~

物体色の測定

これまでの話で、眼に入る光のスペクトルが分かれば、色の標準の表現方法であるXYZ表色系の3つの値を決定できることを述べました。物体の色を測るには、照明光を当てて、物体からの反射光のスペクトルを測定する必要がありますが、その結果に影響を与える因子として、照明光のスペクトル、照射角度、反射光受光角度、視野角などがあります。色の測定に関する規格JIS Z 8722等では、これらの測定条件が標準化されています。代表的な照明光としては、平均的な昼光を意味する標準の光D65が用いられます。

イメージング分光器による色の測定

当社が製造販売しているイメージング分光システムは二次元に広がる物体の個々の点から来る光のスペクトルを迅速に測定することができます。そこで、上述のJISの測定条件と同じようにして、物体の分光反射率を測定することにより、物体の各部の色を決定することが可能になります。実際には、ハロゲンランプを照明光にし、標準白色板と物体を交互に比較測定し、標準白色板に対する物体の分光反射率を算出し、標準の光D65のスペクトルデータを使って照射光のスペクトルを補正します。図1は、人間の指先の250×500点から来る個々の光のスペクトルを測定し、RGBに変換してカラー表示したものです。左の図は通常の指先、右の図は腕を圧迫してうっ血状態にした指先です。うっ血した指先の色合いがやや暗くなっています。図のA、B点のスペクトルを図2に示しますが、酸素化および脱酸素化したヘモグロビンの特徴的なスペクトルになっています。このスペクトルからXYZおよびL*a*b*を求めると表1になります。うっ血の有無による指先の色差ΔEはこの例では3.84であったことが分かります。
 このようにイメージング分光器によって、微妙な色の違いや二次元分布を定量的に測定することができます。応用分野としては、印刷物の検査、種々の製品の色検査、医療診断への応用等が考えられます。

図1 指先のイメージング分光器(RGB合成図)
正常状態(左) うっ血状態(右)
図1 指先のイメージング分光測定例(RGB合成図)
図2 A、B点の分光反射率(矢印部に極小値がある)
図2 A、B点の分光反射率(矢印部に極小値がある)
表1 A、B点のXYZおよびL*a*b*の値
図2 A、B点の分光反射率(矢印部に極小値がある)

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