No.13「特許明細書の書き方(4)」

No.13
特許明細書の書き方(4)~強い特許明細書にするには~

強い特許明細書とは

苦労して特許権を取得しても役に立たないのでは意味がありません。役に立つためには、次の条件を備えた強い明細書にすることが重要です。すなわち、①権利範囲(クレーム)を外しては実施できない(回避困難性)、②他人が無断でその特許を実施しても容易に発見できる(侵害発見性)、③明細書に疵がない(無効要因)の3つです。以下、この3条件を説明します。

回避困難な特許とは

画期的な基本技術を開発し、これを権利化できれば理想的ですが、容易なことではありません。しかし、ある製品を構成する代替の利かない部品や、製造工程中の必要不可欠な工程を権利化することができれば、いわゆる大発明でなくても強い権利を構成することが可能です。この場合、明細書を作成する上で重要なことは、必要不可欠な要件のみで主クレームを構成すること(図参照)、さらには、上位概念化する(例えば「ボルト・ナット」と表現せずに、もっと概念の広い「固定具」と表現する)ことです。

図 クレーム構成例
図 クレーム構成例

侵害の発見が容易な特許とは

物・装置の特許は製法・方法特許に比べて侵害発見性が高く(解析が容易)、出来るだけ物・装置特許にすることが重要です。特に入手容易な最終製品を対象にすることがポイントです。また、権利の行使先を想定することも大事です。部品Aについて権利化を図る際、部品Aのメーカを想定するのか、部品Aを組込んだ装置のメーカを想定するのか、等でクレームの書き方が変わります。

無効要因のない特許とは

特許になっても、無効要因があれば権利行使はできません。無効要因には、発明の開示不十分、矛盾、記載不備、等々があります。徹底的な撲滅が必要です。

終わりに

4回にわたっての本シリーズ、如何でしたか。サワリだけでしたが、明細書を書く上での一助になれば幸いです。なお、当社では、明細書の書き方以外にも多くの研修メニューを取り揃えています。また、ご要望に応じた研修も可能です。知財研修についてどのようなことでも結構ですので、気軽にご相談ください。

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