No.15「レーザー溶接の伝熱シミュレーション」

No.15
レーザー溶接の伝熱シミュレーション

いろいろな現象に対して実験による観察、調査、研究に加えて最近では、数値シミュレーションが盛んに利用されるようになってきました。

レーザー溶接の伝熱解析事例

構造物の製作の手段として溶接は、欠くことの出来ない重要な技術です。深い溶け込みと小さな熱影響部の特徴を持つレーザー溶接に関して、伝熱シミュレーションを行った事例を紹介します。解析には代表的な有限要素法解析ソフトANSYSを使用しています。
 図1は、鋼板を突き合わせ溶接していて、ちょうど中央位置までレーザーが移動した時の等温度線図を示しています。レーザーが動いているために高温部の等温線が移動方向に長い楕円形状となっています。
図2は、解析から得られた加熱冷却曲線と測定結果(当社で開発した測定可能温度範囲500~2000℃の光ファイバー温度計で測定;JFE-TEC News, No.7, April2006)との比較を示したものです。測定結果と比較的よく一致した解析結果が得られています。溶融凝固時の大きな変態潜熱のため1500℃付近で冷却速度が一時小さくなるのがわかります。

図1 レーザー溶接中の温度分布解析結果
図1 レーザー溶接中の温度分布解析結果
図2 温度変化解析結果と実測結果の比較
図2 温度変化解析結果と実測結果の比較

数値解析結果の活用

図3は、溶接部のミクロ組織観察結果と温度分布解析結果を比較したものです。解析結果800~1454℃の温度領域(緑色部)が実測したミクロ組織の熱影響部に比較的合致しています。
 溶接部の温度履歴を知ることで溶接部の強度特性を推定に活用できます。さらに、温度履歴データを基に応力変形解析をすれば、残留応力や変形解析および溶接割れ評価などが可能になります。当社でも主に有限要素法解析による各種の数値シミュレーションの受託解析を行っています。

図3 マクロ組織観察結果と温度分布解析結果の比較
図3 マクロ組織観察結果と温度分布解析結果の比較

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JFEテクノリサーチ株式会社 営業本部