No.16「高精度赤外線カメラ応用例」

No.16
高精度赤外線カメラ応用例

近年の高精度赤外線カメラは、高速度カメラ並みの撮影速度とミリケルビン・オーダー(mK,千分の1℃)の高精度化により、従来の温度測定単一機能から応力測定、疲労限度測定、非破壊検査などへ応用範囲を広げています。

応力測定への応用

物体の応力(圧力)変化と温度変化の関係は、100年以上前にケルビン卿(1824-1907)により熱弾性効果として発表されています。気体に比べて固体の応力発生による温度変化は非常にわずかで、例えば、鋼では1MPaの引張応力で、1mKの温度低下です。このわずかな温度変化を精度良く高速で測定できる赤外線カメラが開発されて、初めて非接触2次元応力測定は可能となりました。複雑形状部品が繰返し荷重や衝撃荷重を受ける場合、回転するゴム製タイミングベルトなどの応力を二次元動画像で観察できること等は、他にない優位性です。

疲労限度測定への応用

金属部品などが繰返し荷重を長時間受けると、疲労破壊が発生します。繰返し荷重が小さい時は、前述の熱弾性効果による温度変化だけが発生しますが、繰返し荷重を上昇させていくと、それ以上の大きな熱エネルギーが発生し、大きな温度変化(=散逸エネルギー)をもたらします。この現象は、ミクロなすべり(転移)やクラックにより発生していると考えられ、疲労限度(=疲労を起こさない上限の応力)近傍では急激に増加します。この変曲点を求める方法が赤外線カメラによる疲労限度測定(写真、図1、図2)で、疲労クラックの発生箇所を短時間に特定できる利点があります。

写真 赤外線カメラによる疲労限度測定
写真 赤外線カメラによる疲労限度測定
図1 散逸エネルギー画像
図1 散逸エネルギー画像
図2 赤外線カメラによる疲労限度測定結果
図2 赤外線カメラによる疲労限度測定結果

非破壊検査への応用

部品の持っている微小な温度差や、外部加熱により発生する温度差から内部欠陥や構造、板厚などを測定する方法が赤外線による非破壊検査です。複雑な形状の部品では、超音波などに比べて非接触の手法なので測定が容易であり、二次元画像で観察できる点も有利です。また外部加熱も照明ランプ程度でよく、X線検査などに比べて安全で容易です。
 当社では世界最高性能の赤外線カメラ(CEDIP・Silver480M)を導入し、各種測定の受託業務を実施するとともに、様々な分野での応用技術の確立に取組んでいます。

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JFEテクノリサーチ株式会社 営業本部