No.17「ナノの世界を拓くULV-SEM-EDX元素マッピング」

No.17
ナノの世界を拓くULV-SEM-EDX元素マッピング

高度情報化社会の基盤技術として、ナノテクノロジーを応用した新規材料や製品の開発が盛んに行われています。試作品評価や故障解析において、「迅速・簡便なナノ計測」として高分解能元素マッピング技術の重要性がますます高くなっています。

ナノ計測としての元素マッピング

走査電子顕微鏡(SEM)で発生する特性X線スペクトルを検出するエネルギー分散型X線分光法(EDX)を用いると、元素マッピングを行うことができます。15kV以上で行う従来のEDXによる元素マッピングは、ミクロンオーダーの分析手法でした。最新の極低加速電圧SEM(ULV-SEM)に組み合わせ、加速電圧を数kV以下に低くして特性X線の発生領域を小さくすると、EDXでもナノオーダーの元素分布の測定が可能になります。

Cr-W積層膜断面の元素マッピング

図1に加速電圧2.7kV、倍率10万倍で測定したCr-W積層膜断面におけるCrとWのEDXによる元素マッピングを示します。図2にこの試料の断面を観察した反射電子像と模式図とを示します。試料はSi基板にTa酸化物を成膜し、更にその上に32nm厚のCrと12nm厚のWを交互に積層させた多層膜です。2.7kVまで加速電圧を下げることにより、ナノオーダーのCr層とW層とが世界に先駆けて識別できるようになりました。
 このように、SEM-EDXの手軽さを活かしたまま、ナノオーダーの元素分布を調査する分析・計測手法として、極低加速電圧EDX分析が注目されています。当社では、極低加速電圧SEMの利用技術の開発を通して、電子デバイスなどナノレベルの構造制御が必要な各種材料の様々な解析ニーズにお応えします。

図1 Cr-W積層膜断面におけるCrとWのEDX元素マッピング(Cr層を矢印2、4、6で示し、W層を矢印1、3、5で示す)
図1 Cr-W積層膜断面におけるCrとWのEDX元素マッピング
(Cr層を矢印2、4、6で示し、W層を矢印1、3、5で示す)
図2 Cr-W積層膜断面の反射電子像とCr-W積層膜の模式図
図2 Cr-W積層膜断面の反射電子像とCr-W積層膜の模式図

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