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No.20「表面処理製品の耐久寿命評価(4)」
JFE-TEC News No.20号 極低加速電圧SEMによるトランジスタのpn接合観察 他 記事一覧
No.20 極低加速電圧SEMによるトランジスタのpn接合観察 他
表面処理製品の耐久寿命評価(4)~無機被覆製品の耐久寿命評価~
今回は、無機被覆製品として、ほうろう鋼板、グラスライニング鋼板、モルタルライニング鋼管およびセラミック被覆鋼板の耐久寿命評価について述べます。表に代表的な無機被覆製品の被覆種、用途と主な機能を示します。
ほうろう鋼板
ほうろうは、金属表面にシリカを主成分とするガラス質の釉薬を高温で焼付けたものです。ガラス質のために、衝撃による割れや金属や砂による摩耗傷の発生、熱衝撃による割れ等の欠点があり、鋼球の落球試験や加熱急冷試験等の使用環境を模擬した試験でほうろう鋼板の耐久性を評価します。
グラスライニング鋼板
グラスライニングは、熱延鋼板をショットブラスト後に施釉し高温で焼付けたもので、ほうろうよりもガラス層が厚くなっています。主として、化学反応容器に使用されますが、酸やアルカリの種類、濃度、pHおよび温度により耐久性が変わり、この他に沸点以上の水蒸気、弗化物によっても耐食性が低下します。使用する薬液を用いた耐食性試験、熱衝撃試験および耐電圧試験でグラスライニング鋼板の耐久性を評価します。
モルタルライニング鋼管
モルタルライニング鋼管は、内面にセメントモルタルやコンクリートを被覆後アルカリ溶出防止塗料でシールしたものです。シールコートの剥離やモルタルからのアルカリの溶出や酸による中性化の問題があり、中性温水浸漬や炭酸含有酸性水浸漬等の環境を模擬した耐食性試験で耐久性を評価します。
セラミック被覆鋼材
セラミック被覆は、TiN、AlN等各種窒化物、TiC、AlC等各種炭化物、SiO2、TiO2等各種酸化物、各種ホウ化物、DLC等をイオンプレーティング等のPVDやCVDでコーティングしたものです。使用目的に応じて、使用薬液中での耐食性試験、スラスト摩耗試験や摺動試験等の潤滑試験により耐久性を評価します。
*DLC:Diamond Like Carbon、
**PVD:Physical Vapor Deposition、
***CVD:Chemical Vapor Deposition
表 無機被覆製品の被覆種、用途と主な機能
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