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No.22「水に浮く中空鉄ボール(TEC-BALL)で衝撃エネルギーを吸収」
JFE-TEC News No.22号 水に浮く中空鉄ボール(TEC-BALL)で衝撃エネルギーを吸収 他 記事一覧
水に浮く中空鉄ボール(TEC-BALL)で衝撃エネルギーを吸収
No.22 水に浮く中空鉄ボール(TEC-BALL)で衝撃エネルギーを吸収 他
水に浮く中空鉄ボール(TEC-BALL)で衝撃エネルギーを吸収
現在、TEC-BALLのお取り扱いはございません。
酸化鉄微粒子を還元・焼結して作製する中空鉄ボールは、内部に大きな空洞を持つ球体なので、軽量であり、熱伝導性が小さい材料です。さらに、空隙への充填自由度が大きく、ボール同士を接合したブロックは衝撃エネルギー吸収能力に優れます。
キーワードは省エネルギーとリサイクル性
最近の新素材は、環境負荷の小さいことが望まれ、キーワードは省エネルギーとリサイクル性です。TEC-BALLは、製鉄プロセスの副産物を精製した酸化鉄微粒子を原料として作製される超軽量材料です。原料、製品も、いずれも環境負荷が小さく、しかも、軽量材を応用することで省エネルギーのお役に立てると考えています。
水に浮く超軽量鉄ボール
TEC-BALLは、鉄でできた中空のボールです。代表的なサイズ(直径0.5~4mm)について、ボールの外観と断面を写真1に示します。外側は緻密な焼結組織のシェルからなり、その内部には大きな空洞のあることが分かります。そのため、代表的な見かけ密度は非常に小さく、鉄の1/10程度(0.8~0.9g/cm3)で水に浮くほどの軽さです(写真2)。
写真1 TEC-BALL 外観と断面
写真2 水に浮くTEC-BALL
衝撃エネルギーを吸収する
突発的な衝撃に対して、人や物を守るためのエネルギー吸収体がさまざまな分野で必要とされています。エネルギー吸収量は歪み-荷重曲線で囲まれた面積となりますが、荷重には人や物など対象物に損傷を与えない上限値があるため、荷重変動が小さいことが望まれます。
中空鉄ボールを接合したTEC-BALLブロックに圧縮荷重を加えると、荷重変動の小さなプラトー領域が出現します(図)。一方、比較のために示した鉄パイプの場合は荷重が大きく変動し、プラトー域が得られません。TEC-BALLブロックは、軽量かつエネルギー吸収効率の良い材料となります。
その他、サンドイッチパネルやパイプ充填加工等の新たな展開が広がっています。今後も、お客様と共に有効な活用先を見出していきたいと願っています。
図 TEC-BALL ブロックの歪み-応力曲線
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