No.24「溶接変形の解析『溶接変形解析支援システム Welding .Sim』」

No.24
溶接変形の解析『溶接変形解析支援システム Welding .Sim』

溶接時の変形問題

鉄鋼製品では、アーク溶接などの溶接組み立てが多く用いられます。鉄鋼材料は一般に冷却過程で金属組織とその構成比率が変化し(相変態)、相変態により線膨張係数や比熱などが急激に変化するために溶接部周辺の温度、応力、変形に大きな影響を及ぼします。寸法精度確保のための溶接変形の解析には、通常の熱ひずみに加えてこのような相変態の考慮が重要となります。しかし、既存の解析ソフトでは相変態の考慮は簡単にはできず、より高精度の材料モデルによる解析が要望されていました。

溶接変形解析支援システムの特長

当社では、長年培ってきた鉄鋼冶金の知見を基に相変態の解析ロジックを開発し、さらに汎用有限要素解析ツー ルANSYSの溶接変形解析支援システム「Welding .Sim」として、サイバネットシステム(株)と共同開発しました。溶接後の冷却速度を利用して相変態率を求めることで、短時間かつ高精度に溶接時の温度、応力、変形量を予測できるようになりました。

数値解析結果と実験の比較

板厚2mmの薄鋼板を用いてアーク溶接による重ね隅肉溶接継手を対象とした解析を実施しました。図1は溶接ビード付近の3箇所(図2の①、②、③)における温度の経時変化について測定結果※1 と解析結果を比較したものです。図2は、溶接後の残留形状 の解析結果を示し、図3は、図2に示す④の上下方向変位(Y方向)の経時変化について解析結果と測定結果を比較したものです。温度および変形に関する解析結果は測定結果によく一致しており、Welding .Sim で溶接変形の予測ができます。

※ 1 溶接ビード部の温度測定は、当社で開発した光ファイバー温度計を使用(JFE-TEC News No.7,April 2006 参照

図 窒化膜の膜厚分布測定
図1 溶接時温度の経時変化比較 / 図2 溶接後の変形 / 図3 鋼板の反り量の経時変化比較

物性データ取得から解析まで対応

4種類の材料データベースを標準実装していますが、当社では他のご指定材料の場合も物性データを材料試験にて採取し、Welding .Simによる受託解析まで対応致します。また、Welding .Simは、サイバネットシステム(株)で販売されています。

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JFEテクノリサーチ株式会社 営業本部