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No.29「ガス腐食試験」
JFE-TEC News No.29号 電池LAB(4) 他 記事一覧
ガス腐食試験
No.29 電池LAB(4) 他
ガス腐食試験~低濃度ガス腐食試験による電子部品の信頼性評価~
はじめに
電子部品は極めて広い産業分野で利用され、かつ実装の高密度化、携帯型機器の増加により、部品内の微小な腐食が重大な機能トラブルを引き起こすリスクが増大しています。そこで電子部品の信頼性評価のために、部品が使用される実環境を模擬しつつ加速性のある耐環境試験として、低濃度ガス腐食試験が重要視されています。当社が導入したガス腐食試験機(図1)では、大気環境を模擬した様々な規格試験 (ISO、IEC、JIS、EIAなど)をおこなうことができます。
ガス腐食試験の特長
当社のガス腐食試験の特長はつぎのとおりです。
- 実環境における電子部品の腐食現象を再現
- 混合ガスの相乗効果により腐食を促進
- 4種(H2S、SO2、NO2、Cl2)までの混合ガス試験が可能(今後オゾンガスO3を追加する予定)
- 微量定量ポンプによりppbオーダーのガス濃度を制御可能
応用事例
低濃度のH2S環境で使用されたコネクタの接触不良トラブルを解析した事例を図1に示します。同種のコネクタを、H2Sを含む模擬環境(3ppm)中に暴露した結果、金めっき部品の接触抵抗の増加が確認されました。コネクタ表面のSEM観察像を図中に示します。さらに腐食生成物の化学状態を解析した結果、接触不良の原因は腐食皮膜(Cu2S)の成長であることがわかりました。この他にも様々な電子部品・材料について、多くの試験、解析をおこなっております。
図1 H2Sガス腐食試験例
おわりに
ガス腐食試験と微小腐食解析の組合せは電子部品の耐久性・信頼性評価、腐食損傷の原因解明に最適です。
また今後、電子部品の寿命推定への応用も期待されています。
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