JFE-TEC News
No.30「テラヘルツ波非破壊検査装置」
JFE-TEC News No.30号 テラヘルツ波非破壊検査装置 他 記事一覧
テラヘルツ波非破壊検査装置
No.30 テラヘルツ波非破壊検査装置 他
テラヘルツ波非破壊検査装置~テラヘルツ波を用いた可搬型の非破壊検査装置~
Portable Non-destructive Terahertz Wave Inspection System
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テラヘルツ波の特徴
赤外線と電波の中間の波長帯域に位置するテラヘルツ波は、プラスチック、紙などに対する高い透過性、各種物質の化学構造の差異に対する鋭敏性、人体に対する安全性などの特長を有しています。従って、非破壊、非接触で、対象物に影響を及ぼさずに検査を行いたいという用途への活用が期待されます。
可搬型非破壊検査装置
写真1 テラヘルツ波を用いた
可搬型非破壊検査装置
超短パルスレーザや、光ファイバ、アンテナ等で構成されるテラヘルツ波の送受信素子に、改良を加えた光学系や構成部品を組み合わせることにより、可搬式で堅牢性に優れた小型装置を実現しました(写真1)。
送受信素子は配置を自由に変えられるため、測定対象物からの反射または透過のパルス波形が現場にて容易に測定できます。
最大10Hzでパルス波形を発信・測定することにより、従来装置比で数十倍の高速測定が可能です。また、伝播時間を考慮してパルス波形を解析することにより対象物の深さ方向の情報が得られます。さらに、波形変換により周波数特性を取得し、その違いから内部状態を推定することも可能です。
測定例
物体を動かすか、または、送受信素子を2次元走査機構(オプション部品)と組み合わせて走査測定し、内部状態の透視や混入物体検出に適用した例を示します(写真2)。
金属ワイヤ(径1.0mm)が埋め込まれたアクリル板(3mm厚)にテラヘルツ波を送信し1方向走査にて取得した波形の反射強度情報から得られた断面画像を示します。ワイヤ上端部が検出されていることが分かります(図1)。
写真2 テラヘルツ波送信・
受信素子と
2次元走査機構
図1 ワイヤ埋め込みアクリル板の反射波画像
(図(b)の白色部:反射強度値が高い場所)
応用分野
塗装皮膜背後の腐食状態調査、工業製品、食品などの異物混入検査、文化財の修復履歴調査など様々な活用が期待されます。今後、最適測定条件を調べることにより適用範囲を広げ、お客様のご要望にお応えしていきます。
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