JFE-TEC News
No.36「高温高圧環境下での SSRT試験」
JFE-TEC News No.36号 微細構造を明らかにする物理解析(12) 他 記事一覧
No.36 微細構造を明らかにする物理解析(12) 他
高温高圧環境下での SSRT試験~不具合・劣化電池の解体調査~
SSRT Test under High Temperature and High Pressure Environments
金属材料と応力腐食割れ
金属材料は、応力がかかった腐食環境下で使用されると、腐食と応力との相互作用により「応力腐食割れ」を起こすことがあります。応力腐食割れは予期せず起こることが多く、一旦応力腐食割れが起こると多大な損害につながります。
応力腐食割れ試験
金属材料の応力腐食割れの試験方法としては、定荷重試験、定歪み試験、Uベンド試験、4点曲げ試験、SSRT試験などがあります。このうち、SSRT(Slow Strain Rate Technique)試験法は、腐食環境下で材料を低歪み速度(1×10-4mm/min)で引張るというもので、他の試験方法に比べて、比較的短時間(1日~ 4日)で材料の応力腐食割れ感受性を評価できるという特長があります。
SSRT 試験の特徴
図1 オートクレーブ/
電気化学試験装置付きのSSRT試験機
当社のSSRT試験機は、オートクレーブ装置を組み合わせており、高温(250℃)、高圧(10MPa)で試験することが可能です。また、圧力平衡型参照電極や対極(Pt)が組み合わされているため、電気化学的な測定(電位測定、電流測定、分極曲線測定など)も可能です。試験容器は高耐食合金製であるため、海水、有機酸、水酸化ナトリウム、硫化水素などを使用することが可能です(図1)。
SSRT 試験例
図2は、硫化水素条件下での高強度鋼のSSRT試験例です。高強度鋼は、大気中では十分に延性を示してから破断に至りますが、硫化水素が含まれる条件下では、応力腐食割れを起こすため、破断伸びが低下します。このことから破断伸びを比較することにより、応力腐食割れ感受性を評価することができます。また、試験条件を変更するこ とにより、水素脆化試験等を行うことも可能です。
当社では、お客様のニーズに合わせて試験をカスタマイズすることが可能です。是非、お問い合わせください。
図2 大気および硫化水素中を含む条件下でのSSRT試験例
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