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No.36「近赤外イメージング 分光応用測定装置(1)」
JFE-TEC News No.36号 微細構造を明らかにする物理解析(12) 他 記事一覧
近赤外イメージング 分光応用測定装置(1)
No.36 微細構造を明らかにする物理解析(12) 他
近赤外イメージング 分光応用測定装置(1)~近赤外分光による食品内容物検査装置~
Food Inspection System with NIR Imaging Spectrometer
近年、食品業界では「食の安全」の声に対して、製品への異物の混入防止、組成成分量の保証など品質管理の重要性が高まっています。このことから非破壊・非接触で行えるインラインの検査装置や成分分布の画像化装置へのニーズが拡大しています。この用途に適用可能な技術の一つとして、近赤外 分光法があります。この分光法の波長帯には、食品において検査の対象となる水分や脂質などの有機物の情報が反映されます。そこで当社は、多数のシステム開発実績を有するイメージング分光器「ImSpector ®」を使った新規食品検査装置の開発を行いました。
図1 牛乳・ヨーグルト混合サンプルの
デジタルカメラ画像(左)と
ImSpector ®を使ったスペクトル分光解析画像(右)
開発した検査装置では、食品に照射した近赤外光の反射光または透過光をイメージング分光器により二次元分光解析することによって、食品の状態を観察することができます。すなわち腐敗などによる品質異常や成分分布などの把握が可能で、同時多点分光・高速データ処理機能 を活かして製造プロセスにおける全数インライン検査に対応することができます。
図1(左)は牛乳とヨーグルトの混合サンプルをデジタルカメラで撮影した外観写真です。このサンプルを近赤外域の波長で分光し、独自の解析アルゴリズムにより成分差を抜き出すことによって、可視では区別困難なヨーグルト成分の分布状態を識別することができます(図1(右))。測定範囲全点で分光スペクトルを得ることができるため、反射スペクトルやその微分スペクトルなどを使うこともできます。
図2 樹脂製袋内の食品混合サンプルのデジタルカメラ画像(左)とImSpector ®を使ってイメージング分光した疑似カラー画像(右)
この他にも図2(左)の ように袋に入った食品を検査し、 袋越しに成分の分布状態を検出することもできます(図2(右))。
前記のような特徴を有しているため、開発した装置は、すでに食品の不良品検出を目的として生産ラインに導入されています。装置のシステムは、お客様のご要望に応じて自由に設計いたします。またインライン装置に限らず、実験室の多機能検査装置にも対応いたします。お客様の生産効率のアップに貢献いたしますので、ご興味のある方は是非お気軽にご相談ください。
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