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No.36「極微量分析技術(6)」
JFE-TEC News No.36号 微細構造を明らかにする物理解析(12) 他 記事一覧
No.36 微細構造を明らかにする物理解析(12) 他
極微量分析技術(6)~燃焼-イオンクロマトグラフィーによる固体試料中の微量ハロゲン・硫黄分析技術~
Analytical Technique for Trace Amounts of Halogen and Sulfur in Solid Samples by Combustion/Ion Chromatography
はじめに
環境負荷低減のため、様々な分野で材料のハロゲンフリー化が進められています。例えば電子部品の接続に使用されるハロゲンフリーはんだにおいては、はんだ材料のフラックス固形分中のハロゲンの含有率は各1,000ppm未満と規定されており(一般社団法人電子情報技術産業協会,ET-7304A)、ハロゲンフリーの動きは電気・電子機器を中心に樹脂材料、印刷材料等にも拡大しつつあります。また、ふっ素や塩素は腐食・劣化の原因となるため、材料の高純度化に伴って極微量レベルでのハロゲン分析が求められています。
燃焼- イオンクロマトグラフィー
写真1 自動燃焼-イオンクロマトグラフ分析装置
これらのニーズに対応するため、自動燃焼-イオンクロマトグラフ分析装置(写真1)を用いて微量ハロゲンの分析を行っています。測定対象となる元素はふっ素(F)、塩素(Cl )、臭素(Br )、よう素(I)のハロゲン4元素に硫黄(S)を加えた計5元素です。
試料を高温で燃焼させて目的成分を気化させ、燃焼ガスを吸収液中に捕集します。この吸収液をイオンクロマトグラフィーで測定することにより、固体試料中のハロゲン濃度を求めることができます。また、よう素については別に回収した吸収液を用いてICP質量分析法により測定しています。
表1にポリエチレン認証標準物質の分析結果を示します。当社では樹脂以外にも、金属材料や有機試薬、油等様々な試料の分析を実施しています。試料の組成に応じて適切な燃焼条件を選択し、分析操作時の汚染を低減することにより、シングルppmレベルでの分析 が可能です。
元素 | 認証値 | 分析値±σ | 検出下限※ |
---|---|---|---|
Cl | 102±3 | 100±1 | <5 |
Br | 96±4 | 96±3 | <5 |
S | 76±4 | 73±3 | <5 |
終わりに
ハロゲン分析の対象となる材料は、合金やセラミックスのような無機材料、樹脂などの有機材料、液体試料など多岐に渡ります。各種試料の分析にご対応いたしますので、ハロゲン・硫黄分析にご興味のある方は是非ご相談下さい。
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