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No.41「極微量分析技術(8) 」

No.41 薄膜旋回型高速ミキサーを使った連続処理システムの導入 他

極微量分析技術(8) ~磁石・電子材料中の希土類元素(レアアース)分析技術~
Analytical Technique of Rare-earth Elements Contained in Magnet and Electronic Materials

はじめに

希土類元素(図1)は、希土類磁石や蛍光体、蓄電池の材料など、電子機器や自動車部品に広く用いられ、その特性を生かした新規材料の開発も盛んです。また、希土類元素は希少性が高く、代替品の開発や資源の回収、再利用が進められています。開発品や回収した資源の評価を行うためには、化学分析による定量的な濃度の把握が重要となります。

図1 周期律表と希土類元素
図1 周期律表と希土類元素

希土類元素の分析には、濃度に応じてICP発光分光分析装置やICP質量分析装置を使用します(図2)。しかし、希土類元素は互いに化学的性質が似ているため、ICP発光分光分析法での分光干渉や、ICP質量分析法での質量干渉など、分析の際に希土類相互の影響を受けやすく分析が難しい元素です。

ICP 発光分光分析装置 高分解能型ICP 質量分析装置
図2 希土類元素分析に用いる元素分析装置

当社では、①高い波長分解能、質量分解能を有する分析装置を用い、②試料組成に応じた干渉を受けにくい最適波長、質量数を選択することにより、希土類磁石のように、希土類を主成分として高い濃度で含有する試料中の微量希土類元素も精度良く定量することが可能です。

市販品磁石の分析事例

2種類の市販ネオジム磁石を分析した結果を表1に示します。主成分元素をICP発光分光分析法、微量元素をICP質量分析法により分析しました。2つの磁石の成分組成を比較すると、主成分である、B,Fe,Nd量には大きな差異はないものの、PrやGd等の含有率が異なっており、2種類の磁石の組成の違いが明確になりました。また微量のSm,Er等の存在も確認されました。

表1 市販希土類磁石の分析結果
元素 濃度(%)
磁石A磁石B
B0.971.02
Fe66.366.1
La0.0010.002
Pr7.355.89
Nd22.521.4
Sm0.0020.002
Gd0.013.43
Dy0.340.35
Er0.00110.0012
Tm<0.00010.0001
Lu<0.00010.0009

       ※ ICP質量分析法で測定した元素

少量試料でも分析が可能

数~10mgの少量の試料でもICP発光分光分析法による組成分析、ICP質量分析法による微量分析が可能です。試料の量、測定元素の組成と濃度に合わせた最適な分析方法をご提案させて頂きます。お手持ちの分析試料が限られている場合でも、是非ご相談下さい。

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