JFE-TEC News
No.44「 樹脂・複合材料評価センター(5)」
JFE-TEC News No.44号 磁気特性の評価技術(5) 他 記事一覧
No.44 磁気特性の評価技術(5) 他
樹脂・複合材料評価センター(5)~接着継手の高速せん断・剥離試験~
High-speed Shearing and Peeling Test of the Resin Material Joint
当社では、金属、樹脂材料などの種々材料を対象に、主に定型試験片によるひずみ速度10-3~103/sの範囲での高速引張試験を行なっています。
今回、油圧サーボ式引張試験機(容量:350kN、最大引張速度:10000mm/s)を用いた、定型試験片だけでなく実部品あるいはそれに近い部材の動的強度評価について紹介いたします。
従来、油圧サーボ式引張試験機は、高速引張専用機ではなかったため、引張速度が約1000mm/sを超えると、応力波が試験機系内で反射して応力振動が発生してしまい、正確なデータが得られないという問題がありました。
そこで当社では、応力振動を低減できる独自の機構を開発し、応力振動を発生させることなく、引張速度約10000mm/sまでの高速引張試験が行なえるようにしました。
この試験機を用いることにより、接着継手のせん断、垂直剥離、あるいはその中間の破壊モードでの評価が可能となります。
対象材料としては、樹脂、繊維強化樹脂、金属、あるいはガラス等の各種材料の継手であり、試験温度は -196℃~400℃の範囲で変化させることができます。
図1に自動車に用いられるボディーシーラーで接合した継手の、垂直剥離試験方法と試験結果を示します。引張速度が10~9200mm/sの範囲で応力振動の無い良好なデータが得られ、引張速度の増加に伴い、剥離強度が増加する状況が確認できます。
図1 ボディーシーラーの高速引張剥離試験結果
この試験例では剥離するまでの変位をストローク変位で計測しましたが、破壊変位が1mm以下で高精度の計測が必要な場合は、超高速度カメラによる変位解析、あるいはひずみゲージによる変位計測により、正確な破壊変位を計測することが可能です。
是非お気軽にご相談ください。
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