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No.45「磁気特性の評価技術(6)」
JFE-TEC News No.45号 リチウムイオン二次電池の分析・評価技術(2) 他 記事一覧
No.45 リチウムイオン二次電池の分析・評価技術(2) 他
磁気特性の評価技術(6)~永久磁石モータにおけるステータコア局所磁気特性可視化技術~
Magnetic Property Visualization in Stator Core of a Permanent Magnet Motor
はじめに
電動機(モータ)に使用されている電磁鋼板は製造過程(打ち抜き、カシメ、溶接、接着、巻線、圧入、焼嵌めなど)において磁気特性が劣化することが知られています。従来、製造工程ごとにモータコアの磁気特性を把握することは技術的に困難でしたが、当社の局所磁気特性可視化技術を用いることによって、モータコアにおける溶接やカシメ周りの磁気特性分布を測定することが可能となりました。数値計算結果との比較や加工における磁気特性劣化の定性的な把握など、実用品に近い状態での磁気特性評価技術をご提供いたします。
ステータコアの磁気特性分布評価
図1 モデルモータ
当社におけるステータコアの磁気特性分布評価は、図1に示すようなモデルモータを作製し、鋼板内部の磁束密度を探針法により、鋼板表面の磁界強度をHコイル法によってそれぞれ測定いたします。図2はロータ外部駆動によるステータコア磁束密度分布の測定結果です(1ティース当たり472測定点)。図中の赤枠部分はそれぞれ溶接位置を示しており、溶接位置真下の領域において磁束密度の低下が確認されています。これは溶接による圧縮応力場を考慮した電磁界解析結果(図3)でも同様の傾向が確認されていることから、溶接位置の真下領域では圧縮応力場による透磁率の劣化が生じていることが推測されます。
図2 ステータコアの磁束密度分布測定結果 |
図3 電磁界解析結果(圧縮応力場あり) |
おわりに
当社は電磁鋼板や磁石など材料の磁気特性評価から、モデルモータ、モデルトランス、リアクトルなど実用品に近い状態での磁気特性評価にいたるまで幅広くご要望にお応えします。是非お気軽にご相談下さい。
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