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No.46「リチウムイオン二次電池の分析・評価技術(3) 」

No.46 高分解能ガスクロマトグラフ質量分析法によるPCB短納期分析 他

リチウムイオン二次電池の分析・評価技術(3) ~4極セルを用いた抵抗分離測定~
Measurement of DC Internal Resistance in LIB Cell Using Four Electrode Cell

リチウムイオン電池(以下LIB)においては性能向上のために内部抵抗の低減が課題となっています。LIBは正極、負極、セパレータ、電解液など多くの部材で構成されています。そのため、サイクル充放電試験や高温・低温充放電試験を行った際に発生する性能低下が、どの部材の内部抵抗上昇によるものかを把握することが重要です。その場合、電池全体の抵抗を各部材の抵抗に分離した形で、正確に捉えることが課題となります。当社では抵抗分離測定を図1のような構造の電気化学セルを用いることで簡易に測定できるようにいたしました。

図1 4極セルの内部構造イメージ図
図1 4極セルの内部構造イメージ図

本報でご紹介する4極セルは、2つの参照極(リチウム金属)を電極付近に配置することにより、解体せずに正極、負極、電解液(セパレータ)の抵抗分離測定を行うことができます。また、単一の電気化学セルで充放電試験経過に伴う電極抵抗の変化を測定することが可能です。

図2 電圧降下の測定結果
図2 電圧降下の測定結果

図2は4極セルを用いた電圧降下の測定例です。放電開始直後(1秒後)の正極-正極側参照極間の電圧降下ΔV1が74.3mV、正極-負極側参照極間の電圧降下ΔV3が80.7mVであることから、電解液及びセパレータによる電圧降下が6.4mVと計算できます。放電時の電流値が10mAであるため、電解液及びセパレータによる直流抵抗は0.64Ωと見積もることができます。

当社では電気化学測定による電池特性の評価だけではなく、電極塗工から電池試作、評価まで総合的なサービスを提供しておりますので、ご興味をお持ちの方はお気軽にお問い合わせ下さい。

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