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No.46「樹脂・複合材料の耐久強度評価技術(1) 」

No.46 高分解能ガスクロマトグラフ質量分析法によるPCB短納期分析 他

樹脂・複合材料の耐久強度評価技術(1) ~恒温恒湿環境下疲労試験機の導入~
Installing of Fatigue Testing Machines Capable of Keeping Constant Temperature and Humidity Environment

写真1 疲労試験機外観
写真1 疲労試験機外観

樹脂および繊維強化樹脂材料は、温度や湿度環境により力学的性質が変動しやすいことがよく知られています。そのため、航空機や自動車の一次構造体への採用が検討される昨今では、正確な疲労強度特性の評価を実施するために、ニーズの少なかった温湿度環境一定下での試験が強く望まれる状況になってきています。その背景には、繊維強化樹脂材料のマトリックスとして吸湿性を持つナイロンを代表とする熱可塑性樹脂の採用があります。

当センターでは、そのようなお客様のご要望にお応えすべく、恒温恒湿度環境下での疲労試験が可能な装置(島津製作所製サーボパルサ®写真1)を2015年11月より複数台導入いたしました。そこで、今回はその疲労試験機の仕様について概略をご紹介いたします。

最大荷重50kNのロードセルを備え、繊維強化樹脂材料の中でも高強度である一方向性タイプの試料にも対応可能な試験機となっています(表1)。試験時の変位量により試験可能周波数は変化しますが、最大約40Hzまで可能な仕様となっています(事前に予備検討を行い、対象試料の試験可能周波数を確認することをお奨めします)。また、つかみ具は繊維強化樹脂材料専用歯を備えています。

表1 疲労試験機仕様
メーカー名 島津製作所
試験機名 サーボパルサ®
型式 EHF-EV101K1-020-1A 特形
動的最大試験力 ロードセル:± 50kN
試験機:± 100kN
アクチュエータ
ストローク
± 25mm
振幅と周波数の関係 ・片振幅0.1mmの場合約40Hz
・片振幅0.8mmの場合10Hz
・片振幅10mmの場合1Hz
制御 試験力、ストローク
図1 疲労試験機 恒温槽温湿度制御範囲
図1 疲労試験機
恒温槽温湿度制御範囲

本試験機の最大の特徴である恒温槽の仕様ですが、まず湿度制御を行わない場合には、-60℃~250℃の範囲で温度制御が可能であり、樹脂材料の評価温度域としては十分な範囲をカバーしています。次に湿度制御を行う場合ですが、温度条件により最小湿度は異なりますが(20もしくは40% RH)、最大85℃×95%RHが可能であり、高温高湿下での疲労特性評価にも対応できる仕様になっています(図1)。

以上、当社で導入いたしました恒温恒湿度環境下疲労試験機は、お客様の樹脂および繊維強化樹脂材料の開発、評価に対して必ずお力になれる装置であると考えていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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