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No.51「【最新技術紹介】磁気特性の評価技術(7)」

No.51 小特集:カーエレクトロニクスVol.1

【最新技術紹介】磁気特性の評価技術(7)~モータのエアギャップにおける磁束密度評価~
Measurement of Air Gap Flux Density in Permanent Magnet Motor

はじめに

モータのエアギャップ(回転子と固定子の空隙)における磁束密度はモータ性能と深く関連しています。特に埋込磁石同期モータ(IPM)はロータ外周部が透磁率の高い材料でできているため、磁気吸引力が大きくなり、振動や騒音が発生しやすいことが知られています。また、表面磁石同期モータ(SPM)と比べ、IPMはエアギャップ中の磁束密度分布にひずみ(高調波)を多く含みます。この磁束密度分布のひずみはモータのコギングトルクやトルクリップルを増加させ、振動・騒音の要因にもなります。そこで低振動・低騒音化の手段として、ステータおよびロータ形状を工夫し、磁束密度分布のひずみを抑制する最適設計がなされています。しかし、実用品モータでは設計・解析において再現困難な応力の影響が含まれており、エアギャップ中の磁束密度を実測することが重要となってきます。

モータエアギャップ中の磁束密度評価技術

当社におけるモータエアギャップ中の磁束密度評価は、写真1に示すような磁束検出コイル(薄いフレキシブル基板上に探りコイルを配置)をモータエアギャップに設置して測定します(写真2)。図1、2はロータ外部駆動(SPM)によるエアギャップ中の誘起電圧波形および磁束密度波形です。磁束密度波形は比較的正弦波ですが、わずかに歪みが確認できます。

磁束検出コイル写真
写真1 磁束検出コイル
モデルモータ
写真2 モデルモータによる測定

当社の技術を用いることによって、今まで把握することが困難だったエアギャップ中の磁束密度を評価することが可能となり、モータの低騒音・低振動化に利用できます。

おわりに

磁性材料評価センターは電磁鋼板や磁石など材料の磁気特性評価から、モデルモータ、モデルトランス、リアクトルなど実用品の磁気特性評価にいたるまで幅広くご要望にお応えします。是非お気軽にご相談下さい。

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