No.53「CFRPの特性評価技術(1)」

No.53 小特集:マルチマテリアル
CFRPの特性評価技術(1) ~積層材料の曲げ変形に作用する積層毎のひずみ分布~
Full-field Strain Analysis in Bending Deformation of Laminated CFRP

輸送用機器の軽量化の一つの手段として、炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)に代表される複合材料の適用が進められています。一方向に並べた炭素繊維に樹脂を含浸させたCFRPを、異なる繊維方向に積み重ねて接着した積層板と呼ばれる構造体で使われるのが一般的ですが、目標とする剛性や強度を得るために積層構成や厚みを調整することが必要になります。しかしながら、CFRPは繊維軸方向以外の方向に負荷された場合には非線形な応力-ひずみ関係を示すことが知られており、積層板の最適な設計を効率的に行うためには積層毎のひずみ分布を把握することが重要になります。

写真1 3点曲げ試験外観
写真1 3点曲げ試験外観

ここでは、デジタル画像相関法(DIC:Digital Image Correlation)を適用した曲げ変形時の積層板断面のひずみ分布解析事例をご紹介します。DICは変形前後の試験体表面のランダム模様の位置・形状変化を比較し、その移動量からひずみ分布を解析する手法です。特に2台のカメラによりステレオ撮影された画像から面外変形を含む三次元の変位・ひずみ分布が解析できます。

厚みが2mmのCFRP積層板を厚み1mmの接着剤で貼り合せた構造体を用いて、支点間距離80mmの3点曲げ試験を実施し(写真1)、断面に発生するひずみ分布の3次元DIC解析を実施しました。X-Y面内せん断ひずみの分布を撮影画像上に表示した結果を図1に示します。構造体中央の接着剤層に大きなせん断ひずみが観察されています(図1-(a))。また、CFRP積層板内の積層間(図1-(b))、破壊直前の亀裂先端(図1-(c))のせん断ひずみ分布も確認ができます。

図1 DIC解析によるせん断ひずみの分布
図1 DIC解析によるせん断ひずみの分布

さらに高速度カメラを用いた撮像により、動的な変化の解析にも対応することができます。当社の各種変形試験、撮像・画像解析技術と組み合わせることで新たな分野への展開も可能ですので、お気軽にお問合せください。

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JFEテクノリサーチ株式会社 営業本部