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No.53「CFRPの特性評価技術(2)」

No.53 小特集:マルチマテリアル

CFRPの特性評価技術(2)~温湿度管理下での異材接着強度評価(静的試験及びクリープ試験)~
Adhesive Strength Test under Variable Temperature and Humidity Conditions

はじめに

近年、自動車車体のマルチマテリアル化に伴い、異種材料の接合・接着が重要技術となっています。数ある接合工法の中でも、面接合である接着は、応力を分散することができるため、接合部の剛性向上や振動低減に効果的であるといわれています。今回はCFRP/Alの接着強度評価事例をご紹介いたします。

高温高湿下での接着強度試験、破面解析

高温高湿下では、接着剤/母材界面に水分が入ることで接着界面が剥離したり、接着剤自体が劣化したりするため、接着強度は低下します(図1)。従来は、試験片を恒温恒湿槽にて前処理した後に取り出し、室温にて強度試験を実施していました。

今回導入した装置(図2)では、前処理から強度試験まで恒温恒湿環境下で連続的に評価が可能です。本装置は高温高湿条件だけでなく-40℃までの低温試験にも対応しており、荷重条件は静的試験モード/クリープ試験モードから選択できます。特に高温高湿環境や低温環境にてクリープ試験を実施できる点は、本装置の強みです。3本同時に試験することが可能ですので、短納期にも対応できます。

図1 試験環境によるせん断強度の違い
図1 試験環境によるせん断強度の違い
図2 電気式温湿度制御試験機
図2 電気式温湿度制御試験機

当社では接着強度試験に加えて、接着破面の表面粗さ測定や成分分析、また独自技術により接着剤へのダメージを抑えた接着界面の断面観察も実施いたします。これらの解析により破壊形態や接着強度向上因子などを確認することができますので、お客様のニーズに合わせて接着技術の開発に役立つ情報をご提供いたします(図3)。

おわりに

異種材料の接着強度は、接着剤の種類や、母材の表面処理法、使用環境などが複雑に影響して発現します。当社では接合・接着品について劣化処理から評価、提案までお手伝いします。お客様のご要望に個別に対応いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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