No.54「リチウムイオン二次電池の評価(1)」

No.54 小特集:電池解析
リチウムイオン二次電池の評価(1) ~3極セルによるリチウム金属析出現象の解明~
Elucidation of The Lithium Metal Deposition using Three Electrode Cell

リチウムイオン二次電池において負極上でのリチウム金属析出現象は充放電効率低下や内部短絡の一因であり、電池の長期信頼性に関わる重要な課題です。リチウム金属析出現象の調査のためには、充放電試験と解体による電極観察をさまざまな条件で繰り返す必要があります。当社ではラミネート型3極セルを用いてリチウム析出発生時の正・負極の電極電位の挙動に注目し、リチウム金属析出発生現象の非破壊調査を実施しました。

図1 3極セル構造
図1 3極セル構造

本報で紹介するラミネート型3極セル(図1)では正・負極の外側に参照極(リチウム金属)を設置することで、電池反応を阻害することなく正・負極の電位変化を測定することができます。そこで、リチウム金属析出現象を再現するために当該3極セルを用いて充放電レート試験を繰り返しました。その結果、図2左に示すように、充放電レートの増加に伴って負極電位が低下する現象が確認されました。また、当該セルを解体して負極を観察したところ、表面にリチウムの局所的な析出が確認されました(図2右)。リチウムが析出したにも関わらず、負極電位は0Vまで低下せず、80mV付近までの低下に留まっていますが、これはリチウム析出の発生が局所的であることが一因と考えられます。このように3極セルによる負極電位の精密測定と負極表面解析を組み合わせることによってリチウムイオン二次電池の負極挙動の詳細な解析が可能になります。

図2 リチウム金属析出試験結果(左:負極電位挙動、右:解体後負極写真)
図2 リチウム金属析出試験結果(左:負極電位挙動、右:解体後負極写真)

ラミネート型電池は目的に応 じてサイズ、形状を比較的自由に設計できる利点を持っています。当社では性能評価だけでなく、電池の試作も行っているので、本報で紹介した3極セルをはじめ、特殊形状、サイズの電池の試作が必要であれば、お気軽にご相談下さい。

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JFEテクノリサーチ株式会社 営業本部